西武線から秩父鉄道へ「夜行列車」運行 複雑ルートで豊島園や西武球場にも立ち寄り



西武鉄道・秩父鉄道・日本旅行の3社は7月28日、臨時夜行急行「奥武蔵51号」のツアーを実施すると発表した。9月17~18日の車中1泊2日。

「奥武蔵51号」で使われる西武4000系。【画像:西武鉄道】

これまで秩父鉄道で実施されていた夜行列車ツアーを西武線まで拡大する形になる。行程は次の通り。

●9月17日
池袋21時14分頃→豊島園 (ドア扱い/折返し)→練馬(Y字線折返し)→西所沢→西武球場前(ドア扱い/折返し)→所沢(上り線から側線へ転線/折返し)→

●9月18日
→飯能(ドア扱い)→正丸トンネル信号場→横瀬→御花畑(ドア扱い)→大野原(ドア扱)→上長瀞(ドア扱い)→長瀞(ドア扱い/折返し/夜鳴きそば販売)→秩父(ドア扱い)→影森(ドア扱い)→武州日野(ドア扱い)→三峰口(ドア扱い/折返し)→浦山口ドア扱い)→西武秩父5時55分頃(西武秩父駅前温泉「祭の湯」入浴・朝食)

池袋駅を出発し、途中で豊島園駅や西武球場前駅などに立ち寄る複雑なルートで秩父鉄道に乗り入れ。長瀞駅と三峰口駅で折り返して西武秩父駅で終了となる。ドアを開ける駅を多数設定して撮影機会を確保する。車両はクロスシートが設けられている西武鉄道4000系を使用し、オリジナルヘッドマークを装着する。

クロスシートの4000系車内。【画像:西武鉄道】

最少催行人員は100人で旅行代金は大人1万6000~2万4000円、子供1万5000~2万3000円。硬券乗車票や西武鉄道・秩父鉄道のフリー切符が付く。8月1日15時から「日本旅行 大阪法人営業統括部 鉄道・バス企画デスク」のツアー予約サイトで申込みを受け付ける。

中国や欧州など海外ではいまも夜行列車が多数運行されているが、日本では東京~高松・出雲市の寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」を除き定期運行の夜行列車が消滅した。一方で近年は線内を何度か折り返すなどして時間を稼ぎ、夜から朝にかけて運行する夜行列車ツアーが地方私鉄などで実施されている。

海外ではいまも夜行運転の列車が多数走っている。写真は寝台車を連ねたトルクメニスタンの長距離列車。【撮影:草町義和】

3社は夜行列車ツアーについて「鉄道ファンならずとも座席夜行列車がもつ郷愁や情緒を求める声は大きく、この企画はその声にお応えすべく、かつて首都圏から地方へ運行された往年の座席夜行列車を再現し、ノスタルジックな旅情をお楽しみいただくものです」としている。

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