JR九州は12月10日、博多~宮崎空港で実施している特急料金の「通算特例」を廃止すると発表した。現在は特急列車を別府駅か大分駅で乗り継いでも1本の特急列車に乗車するとみなして特急料金を算出しているが、特例の廃止後は乗車する列車ごとに特急料金を算出。利用区間によっては大幅な値上げになる。
博多~宮崎を直通する特急「にちりんシーガイア」を利用した場合、現在の指定席特急券(通常期)は3130円。博多~(ソニック)~大分~(にちりん)~宮崎と2本の特急列車を大分駅で乗り継いでも通算特例が適用されて同額の3130円になる。
JR九州は来年2025年4月1日に運賃・料金の改定を実施するが、在来線特急料金は現行価格を据え置く。ただし、これにあわせて博多~宮崎空港の通算特例を廃止。利用する特急列車ごとに特急料金を算出する。
博多~宮崎を「ソニック」「にちりん」(大分駅で乗り継ぎ)で移動する場合、指定席特急券(通常期)は「ソニック」が2730円、「にちりん」が2930円で合計5660円。現行より2530円の大幅な値上げになる。
このほか、割引切符の価格の見直しも2025年4月1日の運賃・料金改定にあわせて実施される。価格を見直すおもな割引切符は「九州ネットきっぷ」「かもめネットきっぷ」「新幹線エクセルパス」「2枚きっぷ」など。EXサービスの関連商品も九州新幹線を含む区間で見直す。
「九州ネットきっぷ」の場合、普通車指定席の利用で博多~熊本は現行4700円のところ610円値上げの5310円に改定。博多~鹿児島中央は1310円値上げの1万1420円になる。
「特急料金回数券(4枚つづり)」と「ぐるっと九州きっぷ」は現行価格を据え置く。「新幹線エクセルパス」も西九州新幹線区間と在来線の「特急定期券エクセルパス」の特急料金相当額は据え置く。
価格見直しは2025年4月1日の発売分から実施。4月1日以降に利用する割引切符を3月31日までに購入(予約)すれば現行価格で利用できる。
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