JR東日本は12月6日、営業上は同一路線として扱っている東海道新幹線と東海道本線の東京~熱海について、2026年3月の運賃改定にあわせて「別線化」を図ると発表した。
東京~熱海はJR東海の東海道新幹線とJR東日本の東海道本線が並行しているが、営業上は原則として同一路線の扱い。たとえば東海道新幹線経由の東京山手線内→熱海の乗車券で東海道本線の東京~熱海も利用できる。
2026年3月のJR東日本の運賃改定後は、東海道新幹線と東海道本線を別の路線として扱う形に変更。新幹線経由と在来線経由で運賃が異なるため、乗車券の売り分けを行う。東海道本線の東京~熱海では、東海道新幹線経由の乗車券で利用することができなくなる。
ただし、新幹線定期券「FREX」「FREXパル」は在来線経由でも利用可能。新幹線停車駅を2駅以上含む在来線の定期券で別途特急料金を支払う場合も新幹線の利用が可能だ。
JR東日本はこのほか、JR他社にまたがる際の運賃に「通算加算方式」を2026年3月の運賃改定で新たに導入、加算額を設定する。
東海道本線・御殿場線の大船(JR東日本)~国府津~御殿場(JR東海)66.7kmの場合、現在はJR本州3社共通の幹線運賃が適用されて1170円。JR東日本の運賃改定後は現行の本州3社幹線運賃を基準額とし、JR東日本区間の大船~国府津31.2kmは距離に基づく加算額(30円)を上乗せして1200円になる。
新幹線は「在来線の線路増設」という考え方で計画されたため、国鉄時代から営業上は原則として並行する在来線と同一路線として扱われている。運賃計算の基準になる営業上の距離は、実際の距離にかかわらず新幹線・在来線とも在来線の距離を適用している。
1987年の分割民営化で国鉄の旅客運送事業は6社に分かれたが、当初は国鉄時代と同じ共通の運賃を適用。のちにJR北海道・JR四国・JR九州が運賃を改定したが本州3社は現在に至るまで共通で、東京~熱海の運賃も新幹線・在来線で同額のままだ。
しかし2026年3月にJR東日本が単独で運賃を改定した場合、東京~熱海が新幹線経由と在来線経由で運賃の金額が異なることになるため、JR東日本は同一路線扱いを終了することに。あわせてJR他社線とのまたがりについて通算加算方式を導入することにした。
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