南阿蘇鉄道(熊本県)は2月3日、運休中の立野~中松10.6kmについて、7月15日に運転を再開すると正式に発表した。7年3カ月ぶりに立野~高森17.7kmの全線で列車が走る。
南阿蘇鉄道は2016年4月に発生した熊本地震の影響で全線の運転を見合わせ。同年7月、被害の少なかった中松~高森の7.1kmのみ運転を再開した。残る立野~中松は川からの高さが日本一高い鉄道橋(廃止線を除く)の第1白川橋梁が損傷するなど、甚大な被害が発生。2018年3月から復旧工事が始まり、本年度2022年度中には工事が完了する予定だ。
全線再開後の1日の運行本数は最大14往復の見込みで、このうち2往復はJR九州の豊肥本線・肥後大津駅まで乗り入れる。乗り入れ列車はJR線の保安装置に対応した新型車両のMT-4000形気動車で運行する。南阿蘇鉄道は運行時刻や豊肥本線への乗り入れについて「現在最終調整を行っておりますので、確定後に告知させて頂きます」としている。
復旧に際しては公設型の上下分離方式を導入し、経営の安定化を図る。2022年4月、沿線の高森町と南阿蘇村が線路施設を保有する一般社団法人として「南阿蘇鉄道管理機構」を設立。南阿蘇鉄道は管理機構から線路施設を借り入れて列車を運行する。
《関連記事》
・南阿蘇鉄道の新型車両「MT-4000形」詳細発表、来年1月から乗務員訓練など開始
・ルート決定「熊本空港アクセス鉄道」着工・開業いつ? 経緯と今後のスケジュール