東武スカイツリー駅付近「踏切の解消日」決定 ホームそのまま、事業完了は4年延期へ



東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)・とうきょうスカイツリー駅付近の連続立体交差事業(連立事業)で、来年2025年3月2日の始発から下り線と留置線が高架化される。東京都墨田区と東武鉄道が今年2024年12月3日に発表した。これにより駅近くの踏切1カ所が解消される。その一方、駅施設などの整備を含む事業全体の完了は4年延期される。

とうきょうスカイツリー駅の東側にある伊勢崎線第2号踏切。上り線は高架化済みで2025年3月の下り線高架化により解消される。【画像:東武鉄道】

この切替工事のため、東武鉄道は2025年3月1日夜の19時20分ごろから終列車まで浅草~曳舟の列車を運休する。半蔵門線直通列車は通常通り運行。特急列車は北千住駅で折り返し運転を行う。代行バスは運行しない。荒天などの影響で工事が中止になった場合、3月8日に工事と列車の運休を実施し、3月9日の始発から高架線に切り替える。

列車運休時の振替輸送は、東京メトロ銀座線・浅草~上野と東京メトロ日比谷線・上野~北千住、都営浅草線・浅草~押上、京成押上線・押上~京成曳舟、JR常磐線・上野~北千住、つくばエクスプレス線・浅草~北千住で実施される。

この連立事業は、とうきょうスカイツリー駅付近の約900mを高架化する事業。2017年6月の事業認可を経て2018年1月に事業着手した。2022年11月27日に上り線の高架切替が完了。2025年3月2日の下り線高架化で伊勢崎線第2号踏切が廃止されるが、下り線のホームは当面のあいだ、浅草寄りの現在のホームをそのまま使用する。

2025年3月2日の切替イメージ。上り線と留置線を高架橋に移す。下り線の新ホームは引き続き工事のため浅草寄りの現在のホームを使用する。【画像:墨田区】

事業の完了時期は事業認可時点で2024年度末を予定していた。しかし想定外の地中障害物が見つかったことや労務・資材単価の上昇などを受け、墨田区と東武鉄道は事業期間や事業費の精査を実施。墨田区が12月3日までに計画の変更案をまとめた。

墨田区によると地中障害物の発見に加え、近隣への騒音などに配慮した施工方法への変更が発生。また、想定した既設駅部内の施工空間の確保が困難なことが分かり、これについても施工方法の変更で対応した。

この結果、変更案では事業期間を4年延長して2028年度末までとし、この4年間で既設駅部の高架線工事や留置線の高架線工事を行うことに。全体の事業費も施工方法の変更や物価上昇に伴い、当初見込みの約313億円から約57%増の約492億円に変更するという。

当初のスケジュールと変更案のスケジュール。【画像:墨田区】

墨田区は変更案に基づく事業認可の変更を本年度2024年度中に申請する方針だ。

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