東京都墨田区は9月19日、東武鉄道の伊勢崎線(東武スカイツリーライン)・とうきょうスカイツリー駅付近を高架化する連続立体交差事業(連立事業)について、事業期間と事業費を見直す考えを明らかにした。
墨田区によると、近隣への騒音に配慮した施工方法に変更する必要が生じたことに加え、想定外の地中障害物の撤去や留置線の切替による調整に時間がかかっている。また、既設駅部での施工空間の確保が困難なことも判明し、施工方法に変更が生じている。事業費は施工方法の変更や地中障害物の撤去に加え、汚染土処理対策や軟弱地盤対策の追加、人件費や資材費の高騰で増額される見込みだ。
このため、認可上の事業期間と事業費を変更する必要性が生じており、本年度2024年度中の認可変更に向けた協議を国や東京都、鉄道事業者と進めているという。
この連立事業は、とうきょうスカイツリー駅付近の線路(約0.9km)を高架化して桜橋通りの伊勢崎線第2号踏切を解消するもの。とうきょうスカイツリー駅に隣接する留置線も高架化する。2016年の都市計画決定と2017年の事業認可を経て2018年から工事に着手。2022年11月に上り線が高架化された。現在の認可上の事業施行期限は2024年度末(2025年3月31日)。
墨田区の現在の想定では、今年2024年10月まで関係機関との協議を進め、12月から2025年1月にかけ事業認可変更の手続きを実施。1月から2月にかけ施工協定を変更する。踏切の解消は予定通り2025年3月に行う考えだが、留置線の高架化などを含む連立事業全体の完了時期は遅れる可能性が高くなった。
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