南海・泉北の合併で運賃「値下げ」通学定期は4割近く、子供ICは値上げも



南海電鉄と泉北高速鉄道の2社は12月4日、2社の合併後の運賃体系を発表した。南海電鉄線と泉北高速鉄道線(大阪府、合併後は南海電鉄の泉北線)にまたがる区間で値下げする。平均値下げ率は普通運賃が7%。定期運賃は大人1カ月の場合で通勤が23.5%、通学は4割近い38.8%と大幅な値下げだ。

泉北高速鉄道線(左)と南海高野線(右)が接続する中百舌鳥駅。【撮影:草町義和】

合併後の運賃は南海電鉄の運賃表を泉北線にも適用する。これにより現在の南海電鉄線~泉北高速鉄道線の相互間は初乗り運賃の二度払いを解消。定期運賃は全区間で値下げする。普通運賃もほとんどの区間で値下げするが、南海電鉄の運賃表をそのまま適用すると高くなる場合は調整し、現行運賃を据え置く。最大値下げ額は普通運賃が150円。定期運賃(大人1カ月)は通勤で1万2470円、通学で5640円だ。

難波~光明池の場合、普通運賃は現行550円のところ10円値下げして540円。定期運賃は大人1カ月で通勤が現行2万6440円のところ5250円値下げの2万1190円、通学が現行1万800円から4590円値下げして6210円になる。

泉北高速鉄道線(南海泉北線)の光明池駅から現在の南海電鉄各駅までの現行運賃と改定運賃。【画像:南海電鉄・泉北高速鉄道】

泉北高速鉄道線内で現在実施しているICカード限定の子供普通運賃(一律50円)は、合併後の泉北線内でも継続する。ただし一部の区間は運賃計算方法の変更でいまより高くなる場合がある。難波~深井の場合、現在は南海電鉄(180円)と泉北高速鉄道(50円)を合算したうえで乗継割引(30円)が適用されて200円だが、合併後は難波~深井の大人運賃の半額(210円)で10円高くなる。

泉北線内の普通運賃・定期運賃と光明池~和泉中央の加算運賃、特急「泉北ライナー」の特急料金・定期特急料金は変更しない。

泉北高速鉄道線は2025年4月の合併で南海電鉄の泉北線になる。【撮影:草町義和】

この運賃体系は2社が合併する来年2025年4月1日の始発から実施される。2社は「この運賃値下げを契機とし、これまで以上にご利用いただきやすい鉄道を目指し、泉北沿線における「暮らす・働く・訪れる」価値を高め、サステナブルな沿線づくりに引き続き努めてまいります」としている。

京成電鉄と新京成電鉄も2025年4月1日に合併する予定だが、合併に伴う運賃・料金の変更は行わない。

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