北陸新幹線の並行在来線三セクとJRの乗継割引が一部廃止 最大80円の値上げ

JR東日本とJR西日本は12月26日、北陸新幹線の並行在来線の経営を引き継いだ第三セクター(三セク)各社との乗継割引を廃止すると発表した。これにより、2020年4月1日からJR線と三セク各社線をまたぐ区間の運賃が値上げされる。

えちごトキめき鉄道線とJR線が接続する直江津駅。【撮影:草町義和】

JRが乗継割引を廃止するのは、しなの鉄道(長野県、北しなの線のみ)と、えちごトキめき鉄道(新潟県)、あいの風とやま鉄道(富山県)、IRいしかわ鉄道(石川県)。いずれも2015年3月の北陸新幹線・長野~金沢間の延伸開業に伴い、並行在来線の信越本線・豊野~妙高高原~直江津間と北陸本線・直江津~市振~倶利伽羅~金沢間の経営をJRから引き継いだ三セクだ。三セク各社はJR線との乗継割引を廃止しない方針。

これにより、JR線と三セク各社線をまたぐ区間の普通旅客運賃は10~80円程度の値上げに。定期旅客運賃も値上げされる。

金沢市内の西金沢~金沢~森本間9.1kmの場合、以前は全区間がJR西日本の運営する北陸本線で、現在の運賃額では200円の区間に相当する。しかし金沢~森本間5.4kmがIRいしかわ鉄道の路線になったため、運賃はJRの西金沢~金沢間3.7kmが190円、IRいしかわ鉄道の金沢~森本間5.4kmが220円で、そのまま合算すると倍以上の410円になる。

IRいしかわ鉄道線とJR線が接続している金沢駅。【撮影:草町義和】

鉄道の運賃は各社ごとに設定されており、利用する距離が長ければ長いほど距離あたりの運賃が安くなる一方、短ければ高くなる。そのため、短い距離を複数の鉄道会社にまたがって利用すると、短い距離の割高な運賃を合算するため、大幅に高くなる傾向がある。

このため各社は、経営移管による運賃が大幅に変動する区間については、「激変緩和」を目的に乗継割引運賃を設定。西金沢~金沢~森本間の場合、JR西日本が80円、IRいしかわ鉄道が50円の割引運賃を設定したため、実際の運賃は1.25倍の250円に抑えられた。JRの乗継割引のみ廃止されると80円高い330円になる。

JRによると、乗継割引運賃は並行在来線の三セクへの経営移管から5年間を限度に設定したもの。このほど三セク化から5年を経過するため廃止するとしている。