中国の高速列車「666」古都と首都を「66」で結ぶ 不吉? いえ商売繁盛・幸運です



中国国家鉄路は10月22日、X(旧Twitter)公式アカウントで中国の高速列車「G666」を紹介した。

西安→北京西を6時間6分かけて走るG666列車。【画像:中国国家鉄路】

「G666」は個々の列車に割り振られた番号で、「G」は高速列車を意味する。中国の列車は基本的には「とき1号」「たにがわ401号」などといった列車名が設定されておらず、切符を購入するときも列車番号で予約する。

G666列車は、かつて「長安」と呼ばれた中国の古都・西安から首都・北京までの約1200kmを走る。日本の新幹線なら東海道・山陽・九州新幹線の東京~新大阪~博多~新八代(実キロベースで1199.1km)に相当するが、直通列車はない。

10月23日時点の時刻表によると、西安駅を17時22分に発車。黄河沿いの除蘭高速鉄道を東に進み、鄭州からは京港高速鉄道を北上して北京西駅に23時28分に到着する。所要時間は6時間6分で、こちらも「6」だらけだ。ちなみに日本の新幹線の東京~新八代は直通列車は走ってないが、所要時間は乗換時間を含めても6時間前後。6時間6分になる乗り換えパターンもいくつかある。

G666列車の走行ルート(赤)。【画像:OpenRailwayMap/OpenStreetMap、加工:鉄道プレスネット】

西安から北京に向かう高速列車の多くは高速鉄道駅の西安北駅から発車するが、G666列車は在来線駅の西安駅を発車。30kmほど在来線を走ってから徐蘭高速鉄道の線路に入る。日本でも山形新幹線のように在来線の軌間を新幹線にあわせて改軌し、車体の大きさを在来線にあわせた特殊な車両を使うことで新幹線と在来線の直通運転を行っているが、中国では高速鉄道と在来線の軌間が同じ。車体寸法もほぼ統一されており、特殊な車両を使う必要はない。

G666列車を取り上げた中国国家鉄路のXアカウント。

「666」はキリスト教の新約聖書のヨハネ黙示録で「獣の数字」と記されていることから、欧米では不吉な数字として忌み嫌われているが、中国では「6」は「流」と同じ発音のため、物事が順調に進む→商売繁盛・幸運を意味する縁起のいい数字とされている。中国国家鉄路はG666列車について「象徴的なランドマークを通る風光明媚なルートは、文化的意義と幸運をもたらすことで人気があります」とアピールしている。

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