国土交通省の四国運輸局長は9月30日、とさでん交通(高知県)が申請していた路面電車(軌道事業)の旅客運賃上限変更を認可した。これを受けてとさでん交通は11月1日に路面電車の運賃を改定する。全体の改定率は6.3%。
普通旅客運賃は均一制区間が現行200円から30円値上げの230円。区間制区間(現行額→改定額)は1区間が130円→150円、2区間が230円→250円、3区間が310円→330円で、それぞれ20円値上げされる。均一制区間と区間制区間にまたがる区間(現行額→改定額)もそれぞれ20円値上げされ、1区間が310円→330円、6区間が480円→500円だ。
普通旅客運賃が現行200円、改定後230円の区間の場合、大人・1カ月の定期旅客運賃は現行7310円のところ1250円値上げの8560円に。通学定期は1070円値上げの7180円になる。改定後500円の区間なら、大人・1カ月で通勤が1280円値上げの1万8600円、通学が830円値上げの1万1400円だ。
とさでん交通の軌道事業の収支は2023年度の実績で収入が9億4007万5000円だったのに対し、支出は10億3867万9000円で9860万4000円の赤字。2025~2027年度の3年間推定では現行運賃のままなら3億2981万8000円の赤字の見込みだが、運賃の改定で赤字額をほぼ半分に1億6184万2000円に減らすことを見込む。
とさでん交通はこのほか、路線バスの運賃も11月1日に改定。普通旅客運賃の上限は初乗り運賃が現行140・150円のところ10~20円値上げして160円に統一し、市内均一運賃は現行200円のところ40円値上げして240円にする。また、電車~バスやバス~バスの乗継割引ポイントの拡充や新設、廃止の見直しを実施する。
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