東北・秋田新幹線「はやぶさ・こまち」315km/h走行中に連結器外れる



東北新幹線で9月19日の朝、列車が走行中に連結器が外れる事故が発生した。JR東日本は「多くのお客さまに、ご迷惑とご心配をお掛けしておりますことを深くお詫び申し上げます」と謝罪。緊急点検を実施するとしている。

東京~盛岡で連結して走る「はやぶさ」(上)と「こまち」(下)。【撮影:草町義和】

JR東日本によると、事故は9月19日の8時07分ごろに発生。東北・秋田新幹線「はやぶさ6号・こまち6号」が古川→仙台を約315km/hで走行中、自動的に非常ブレーキが動作。東京起点357.9km付近の地点に停車した。運転士の点検の結果、「はやぶさ6号」と「こまち6号」の編成が300mほど離れて停車しており、連結器が外れていることを確認した。

事故発生時の列車の位置。【画像:JR東日本】

「はやぶさ6号」「こまち6号」ともに脱線はしておらず、連結器や車輪に異常はなかった。乗客のけがも確認されていない。その後、車両と線路の点検を実施したのち「はやぶさ6号」と「こまち6号」をそれぞれ単独で仙台駅まで運転した。

事故発生後の現地写真。「はやぶさ6号」と「こまち6号」の連結器が走行中に外れて分離した。【画像:JR東日本】
事故発生後の「はやぶさ6号」(左)と「こまち6号」(右)の連結器部分。【画像:JR東日本】

この影響で東北新幹線は運転を見合わせ、事故発生からほぼ5時間後の13時12分に全線で運転を再開。上下計72本が運休したほか上下計35本に遅れが発生し、このうち「はやぶさ8号」が最大で5時間51分遅れたという。

東北新幹線「はやぶさ」と秋田新幹線「こまち」は東北新幹線の東京~盛岡で連結して運行されている。車両は「はやぶさ」がE5系電車の10両編成で「こまち」がE6系電車の7両編成。連結時は17両編成になる。上り列車の場合、盛岡駅で併結作業を行っている。JR東日本によると、併結作業は通常通り行われたという。

これを受けてJR東日本は、複数編成の連結運転を行っている全96編成の連結部の外観検査を実施する。E5系の51編成とE6系の23編成に加え、E2系電車の6編成とE3系電車の10編成、E8系の6編成も対象だ。同社は「緊急点検を速やかかつ確実に実施するとともに、原因究明を行い、必要な対策をとってまいります」としている。

国土交通省の斉藤鉄夫大臣は9月20日の記者会見で「鉄道輸送への信頼を揺るがすものであり、遺憾」とし、JR東日本に対し「原因究明と再発防止策の検討を指示しているところ」と話した。

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