IGRいわて銀河鉄道は9月11日、国土交通省の東北運輸局長に旅客運賃の変更を届け出た。平均改定率は6.2%。近距離や中距離の区間は値上げするが、遠距離区間は値下げする。
普通旅客運賃の場合、初乗り(2kmまで)は現行160円のところ10円値上げの170円。盛岡~好摩21.3kmは現行660円のところ改定後は690円で30円の値上げになる。一方、盛岡~金田一温泉78.4kmは現行2130円だが40円値下げされて2090円になる。
定期旅客運賃も1カ月の場合、値上げ額の最大が通勤定期で1500円、通学定期で1450円なのに対し、値下げ額は通勤・通学ともに最大1000円になる。
また、開業時から運賃の激変緩和措置として実施していた乗継割引制度を廃止。普通旅客運賃の場合、JR線や青い森鉄道線の対象区間を相互利用すると大人50円・子供30円引きとなっているが、これがなくなる。定期旅客運賃の乗継割引制度も同様に廃止される。
IGRいわて銀河鉄道は2002年、東北新幹線の八戸延伸開業に伴いJR東日本から引き継いだ東北本線・盛岡~目時(いわて銀河鉄道線)82.0kmを運営する第三セクター。2005年の激変緩和措置の変更による通学定期運賃の引き上げと消費税率の引き上げを除き、現行の運賃水準を維持していた。
IGRいわて銀河鉄道によると、燃料費や各種資機材などの高騰でコストが増大し、経費削減などによる自助努力も限界を迎えている。今後も鉄道施設の老朽化に伴う更新などの設備投資を実施していく必要があり、厳しい経営環境が続くとして運賃改定を実施するという。
運賃改定時期は来年2025年3月中旬の予定。改定日についてIGRいわて銀河鉄道は今年2024年12月中旬に発表の予定としている。JRは例年3月にダイヤ改正を実施しており、その概要は前年の12月に発表することが多いため、このスケジュールにあわせるとみられる。
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