長崎電軌がもと箱根登山鉄道と仙台市電の2両を希望者に譲渡へ もと都電は解体



長崎市内の路面電車を運行する長崎電軌軌道(長崎電軌)はこのほど、昨年2019年3月に引退した動態保存の電車3両のうち、2両の車体を希望者に譲渡すると発表した。残り1両は解体される。

2019年3月に引退した動態保存車は、150形電車の151号と1050形電車の1051号、700形電車の701号。長崎電軌は譲渡に向けた調査を行い、151号と1051号の2両を希望者に譲渡することにした。701号はアスベストが車体全般に含まれており、「解体せずに除去作業のみの実施が不可能」(長崎電軌)として解体が決まった。

151号と1051号はパンタグラフと内部の電気部品を除く車体のみの譲渡になるが、コントローラー回りの外観は維持するという。申し込みは郵送で受け付ける。期限は今年2020年3月31日(必着)。車体自体は原則として無償だが、運搬費は自己負担になる。運搬費の目安は福岡が約350万円、大阪が約500万円、東京が約700万円。

151号は現在の都電荒川線を運営していた王子電気軌道の車両として1925年に製造され、箱根登山鉄道の小田原市内線を経て1957年に長崎電軌が譲り受けた。1051号は1952年に製造された仙台市電の路面電車で、1976年に長崎電軌が譲受。701号は都電2000形電車として1955年に製造され、1969年に長崎電軌へ。3両とも長崎電軌が譲り受ける前の塗装を復元している。