国土交通省の関東運輸局長は8月30日、秩父鉄道(埼玉県)が申請していた鉄道旅客運賃の上限変更を認可した。これを受けて秩父鉄道は10月1日に運賃を値上げする。改定率は15.3%。
普通旅客運賃は初乗り(1~4km)が現行170円のところ30円値上げの200円。それ以外の距離帯も50~130円値上げする。通勤定期旅客運賃は1カ月の場合、1~4kmが1310円値上げの7560円。通学定期旅客運賃は家計への負担を考慮するとして現行運賃を据え置く。
運賃以外の料金も値上げ。急行料金は90円値上げの300円に改定する。入場料金は初乗りと同じ30円値上げの200円。
国土交通省によると、秩父鉄道の鉄道事業の収支は2023年度の推定で収入が34億1360万3000円なのに対し、支出は38億8322万9000円で4億6962万6000円の赤字の見込み。2024~2026年度の3年間合計の推定では、現行運賃のままなら20億3517万円の赤字が見込まれるのに対し、運賃を値上げした場合の赤字額は11億2080万2000円に縮小するという。
秩父鉄道によると、利用者が減少するなかでサービス維持や利便性向上のための設備投資などを行いつつ、鉄道事業を健全に経営していくため運賃改定を実施するという。
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