国土交通省と鉄道・運輸機構は8月29日、北陸新幹線・敦賀~新大阪(小浜・京都ルート)に新設される駅の詳細な位置案を関係各県との連絡会議で示し、公表した。4駅のうち3駅はJRの既設の新幹線駅や在来線駅のすぐそば。残り1駅は近くに既設の駅がなく、新幹線と在来線の連絡が課題になりそうだ。
小浜・京都ルートによる北陸新幹線の新大阪延伸では、福井県内に「小浜市(東小浜)付近駅」、京都市内に「京都駅」、京都府京田辺市内に「京田辺市(松井山手)付近駅」、大阪市内に「新大阪駅」の4駅が設けられる。このうち小浜市(東小浜)付近駅は地上駅で、それ以外の3駅は地下駅だ。
小浜市(東小浜)付近駅の詳細位置案は、JR在来線(小浜線)の東小浜駅から小浜方面(西南西)へ約1kmのあたり。駅の南側で小浜線の線路と交差する。
京都市内は地下トンネルで通り抜ける「東西案」「南北案」「桂川案」の3ルート案と各案の京都駅の詳細位置案が8月8日までに公表済みだ。東西案は既設のJR京都駅の南側に東西方向で設置。南北案は既設のJR京都駅の西寄り南側に南北方向で設置する。桂川案は既設のJR京都駅から東海道本線(JR京都線)で2駅目になる桂川駅の近く。同駅の北寄り西側に南北方向で設置する。
京田辺市(松井山手)付近駅の詳細位置案は、JR片町線(学研都市線)・松井山手駅の北寄り西側。終点の新大阪駅はJR東海道・山陽新幹線の新大阪駅の南側に設ける。
京都駅と京田辺市(松井山手)付近駅、新大阪駅の3駅はJRの既設の新幹線駅や在来線駅の近く。一方で小浜市(東小浜)付近駅はJR在来線との交差地点だが在来線側に駅がない。新幹線と在来線の連絡を図る場合は在来線側にも新駅を整備する必要がある。
国土交通省が8月27日に公表した2025年度予算概算要求では、整備新幹線整備事業費補助として803億7200万円(事業費ベースでは2658億円)を計上。北陸新幹線・敦賀~新大阪の新規着工に要する経費は具体的な額を定めない事項要求とした。国土交通省は従来は工事実施計画の認可後に行っていた調査も含め、用地確保に向けた調査や発生土の処理に向けた検討、駅の工法の検討に必要な調査などを先行的・集中的に行う考えだ。
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