JR東日本とJR西日本「在来線車両で装置・部品の共通化」検討 初の技術的連携



JR東日本とJR西日本の2社は7月5日、在来線車両の装置や部品について共通化の検討を開始したと発表した。2社が在来線で技術的連携を行うのは初めてという。

JR東日本(左)とJR西日本(右)の在来線車両。【撮影:鉄道プレスネット(左)・草町義和(右)】

まずモーターやオイルダンパー、行先表示器、パンタグラフなどの共通化の検討に着手。事業者の独自性と効率化のバランスを見ながら共通化の対象部品を拡大する。ドアの位置・枚数や車体の幅・長さ、先頭部のデザインなど事業者独自の仕様となるものについても今後検討する。

2社は4月に覚書を締結し、在来線車両の装置・部品共通化の検討を共同で開始した。車両メーカ-やサプライヤーの製造プロセスの効率化や生産性の向上に寄与することでサプライチェーンの強靱(きょうじん)化を目指す。これにより装置や部品の効率的な調達が可能になるという。

このほか、2社の設計プロセス効率化や設計技術向上を目指した交流、この取り組みに賛同してもらえる事業者や車両メーカ-、サプライヤーとの意見交換も行っていく考えだ。

装備・部品共通化のイメージ。【画像:JR東日本・JR西日本】

2社は北陸新幹線でE7系・W7系電車の共同設計と相互直通運転を行っている。昨年2023年4月に覚書を締結し、E7系・W7系をベースにした新幹線の自動運転の技術検討を協力して進めている。

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