JR東西「新幹線の自動運転」技術協力 上越新幹線は2030年代の実現目指す



JR東日本とJR西日本は5月9日、新幹線の自動運転について技術協力すると発表した。北陸新幹線で相互直通運転を行っている共通仕様のE7系電車(JR東日本)とW7系電車(JR西日本)をベースに、システム開発やコスト軽減に向け協力して検討を進めるとしている。

北陸新幹線を走るJR西日本のW7系。【撮影:草町義和】

JR東日本によると、同社は運転士が乗務しない自動運転(ドライバーレス運転)を実現するため、自動列車運転装置(ATO)の開発を進めている。2021年度には上越新幹線の新潟駅と車両基地を結ぶ回送線で、回送列車による自動運転の試験を実施した。

今後は2020年代末、新潟駅~車両基地の回送列車で運転士や添乗員が乗務しない自動運転レベル「GoA4」のドライバーレス運転を、また2030年代中頃には、上越新幹線・東京~新潟の営業列車で添乗員付きのドライバーレス自動運転(レベル「GoA3」)の実現を目指すという。

鉄道の自動運転レベル。【画像:JR東日本・JR西日本】

JR西日本は北陸新幹線の白山総合車両所で、2022年度から自動運転機能の要素技術開発を実施中。車両を自動で加速、減速させて定位置に停止させる制御装置などの自動運転機能の評価と課題抽出を行っている。今後は北陸新幹線での自動運転の実現に向け、システム開発やコスト軽減などの検討を進めるという。

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