JR貨物「2024年3月16日ダイヤ改正」速達化や海上コンテナ輸送の新設など



JR貨物は12月15日、来年2024年3月16日に実施するダイヤ改正の概要を発表した。2024年4月から始まるトラックドライバーの時間外労働規制強化(2024年問題)により鉄道貨物輸送への期待が高まっているとし、列車の速達化や輸送力の増強を行う。

おもなダイヤ改正の内容は次の通り。

東京~大阪

東京と大阪を結ぶコンテナ列車を速達化。東京貨物ターミナル22時59分→大阪貨物ターミナル8時04分の列車は大阪貨物ターミナル7時05分着に変更し、所要時間を59分短縮の8時間06分にする。

大阪貨物ターミナル18時46分→東京貨物ターミナル6時30分の列車は大阪貨物ターミナル22時31分発に変更。所要時間は7時59分で3時間45分短縮される。

東海道本線を走る貨物列車。【画像:ND750KS1995/写真AC】

関東・名古屋・関西~関西・山陽・九州

関東地区の各駅から西へ向かう列車は、広島地区への輸送力を増強。東京貨物ターミナル23時20分→福岡貨物ターミナル16時10分の列車は、東京→広島の輸送力をコンテナ20個増の60個とする。東京貨物ターミナル8時09分→福岡貨物ターミナル6時47分の列車も東京→広島の輸送力をコンテナ20個増の25個にする。

東京貨物ターミナル11時01分と倉賀野19時25分の福岡貨物ターミナル行きは、新たに広島貨物ターミナル駅に停車。両列車とも関東→広島の輸送力としてコンテナ5個を新設する。

名古屋貨物ターミナル19時52分→新南陽10時24分の列車は名古屋→広島の区間でコンテナ輸送力を15個増の50個に。名古屋貨物ターミナル16時12分→熊本10時40分の列車は京都→北九州・鳥栖・熊本で合計20個の直通輸送ルートを新設する。

東水島18時28分→東京貨物ターミナル8時16分の列車は、岡山貨物ターミナル・吹田貨物ターミナル→横浜羽沢で合計20個の直通輸送ルートを新設する。

関東~北海道

東京臨海部・神奈川地区~北海道の利用が増えていることから、東京貨物ターミナル21時40分→八戸貨物→函館貨物→札幌貨物ターミナル21時35分の列車を新設。札幌貨物ターミナル14時27分→新座貨物ターミナル→横浜羽沢→相模貨物15時33分の列車も新設する。

東北本線を走る貨物列車。【撮影:草町義和】

大型コンテナ輸送

大型トラックとほぼ同じサイズの31フィートコンテナの取り扱いを拡大。名古屋貨物ターミナル20時26分→西浜松0時29分→盛岡貨物ターミナル15時36分と東京貨物ターミナル23時20分→広島貨物ターミナル10時34分の区間で31フィートコンテナを取り扱う。また、東京貨物ターミナル16時17分→盛岡貨物ターミナル4時10分の区間ではISO20フィートタンクコンテナを取り扱う。

31フィートコンテナの48A形。【撮影:草町義和】

40フィートの海上コンテナ輸送も拡大。根岸14時57分→宇都宮貨物ターミナル19時51分と宇都宮貨物ターミナル23時49分→根岸5時50分の海上コンテナ輸送を新設する。

車両など

機関車はEF210形電気機関車8両とEF510形電気機関車7両の合計15両を新造。荷役機械は12フィート用と20フィート用のフォークリフトを合計50台新製するほか、31・40フィート用トップリフターを18台新製する。

EF210形は8両が新製される。【撮影:草町義和】
東京貨物ターミナル駅のトップリフター。【撮影:草町義和】

コンテナ2900個を新製。内訳は両側開きタイプの20D形が1100個、妻側開きタイプの20G形が1400個、両側開き通風タイプのV19C形が400個になる。

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