JR東日本は11月10日、新幹線の自動運転の試験を行うと発表した。来年2021年の10月から11月頃にかけ、上越新幹線で実施する。

E7系電車の12両編成1本を使用。新潟駅から新潟新幹線車両センターまで約5kmの車庫回送線で、自動運転による走行試験を行う。
この走行試験では、自動運転装置(ATO)の機能の検証を実施。遠隔操作による発車やATOによる列車の加速・減速、定められた位置での自動停止、緊急時の遠隔操作による列車の停止を検証する。

このほか、ローカル5G(通信事業者ではない企業などがエリアを限定して構築する専用5Gネットワーク)の性能確認も、同時期に自動運転試験と同じ環境で実施。高精細映像をリアルタイムで伝送する技術などの試験を行い、鉄道における5Gの活用の可能性を検鏡する。沿線に基地局を設置して走行中の回送列車と伝送試験を行い、鉄道がある環境での大容量・低遅延通信の性能確認を行う。

JR東日本はグループ経営ビジョン「変革2027」でドライバレス運転(運転士がいないタイプの自動運転)の実現を掲げており、上越新幹線での自動運転試験もその一環だ。同社はこの試験で得られた知見を蓄積し、将来の新幹線自動運転を目指したATOの開発を進めていくとしている。