札幌駅「リニューアル」設備集約、エキナカは2倍に 新幹線に先行して整備



JR北海道は5月15日、札幌駅をリニューアルすると発表した。高架化から35年以上が過ぎて設備の老朽化が進んでいるとして、北海道新幹線の工事に伴う改修を機に駅全体をリニューアルするとしている。

高架化から35年以上が過ぎた札幌駅。【撮影:草町義和】

駅北側の外観改良のデザインコンセプトは「サツエキ×ヒトトキ」。「駅を訪れる人(ヒト)の時間(トキ)を憩える(ヒトトキ)空間」になるようガラス面を多く採用してホーム空間を明るくし、ホームから広場を眺められるようにする。1階はレンガの暖かみと憩える滞留空間を創出し、広場と一体となる空間を作り出す。新幹線駅と接続するホーム階は新幹線駅と連続したデザインにする。

駅北側の外観改良のイメージ。【画像:JR北海道】

改札内コンコースのトイレは1カ所に集約し、子供向けのトイレなどを新たに整備する。駅構内(エキナカ)の商業施設は面積を2018年度時点の約2倍にして改札口南側に集積。北海道の魅力を発信する施設にリニューアルするという。

リニューアル後のトイレ(男性用)のイメージ。【画像:JR北海道】
リニューアル後の商業施設などのイメージ。【画像:JR北海道】

本年度2024年度は駅北側外観の改良工事と改札内トイレの改良工事、駅リニューアルの設計と商業施設リニューアルの設計を実施する。工事完了は駅北側外観が2027年度の予定。商業施設を含む駅リニューアルの工事完了は2028年度の予定だ。

札幌駅の平面図(左=2024年度の工事内容のイメージ、右:リニューアル後のイメージ)。【画像:JR北海道】

札幌駅は1988年から1990年にかけ高架化が完了。現在の在来線高架駅の旭川寄りでは北海道新幹線の高架ホームを整備する工事が進められている。北海道新幹線の札幌延伸開業は従来の予定である2030年度末(2031年春)から大幅に遅れる見込みになったが、JR北海道は札幌駅のリニューアルについては新幹線に先行して進める考えだ。

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