北海道新幹線の札幌駅「東改札」整備が正式決定 デザイン案公表、LRTなどと連絡も



JR北海道は3月16日、北海道新幹線・札幌駅(2030年度末開業予定)の駅舎デザイン案などを公表した。駅の東側にも改札口と交通広場を設けることが正式に決定。将来的には札幌市が構想している軽量軌道交通(LRT)などとの連絡を図る。

創成川をまたぐ新幹線札幌駅のイメージ。【画像:JR北海道】

新幹線札幌駅は現在の在来線札幌駅の東側、創成東地区に設置。同地区を流れる創成川と創成川通をまたぐようにして相対式2面2線の高架ホームを整備する。

新幹線札幌駅の全体計画(上:縦断面図、下:平面図)。【画像:JR北海道】

デザインコンセプトは「大地の架け橋」。札幌の街並みと北海道の自然をつなぐ架け橋として、創成川に面した新しい札幌の顔となるようデザインしたという。新幹線駅舎は北海道の山並みをイメージした曲線状の屋根を配置し、2階の新幹線ホームからは創成川通を見渡すことができるようにする。内装には北海道産の木材や赤レンガ、札幌軟石など北海道や札幌市にゆかりのある素材を活用する。

新幹線駅舎の屋根は曲線状にする。【画像:JR北海道】
ホームからは創成川通を見渡せるようにする。【画像:JR北海道】

創成川の西側には「新幹線改札口」(3階)や「在来線改札口」(3階)を設ける。新幹線改札口は駅の南側に整備される再開発ビルのアトリウム(建物内部の大規模な空間)と接続。地下鉄やバス、タクシーなどの交通機関との乗り換えに対応するほか、このアトリウムから新幹線を見渡すことができるようにするという。

新幹線の改札口と接続する再開発ビルのアトリウム。新幹線ホームを見渡せるようにする。【画像:JR北海道】

また、在来線ホームの東端に「南北乗換こ線橋」(幅約9m、長さ約60m)を整備。こ線橋の南側で新幹線駅のコンコース階に接続し、在来線の各ホームから新幹線駅に直接アクセスできるようにする。コンコース階は全長が約190mで、このうち130m程度に動く歩道を整備。ホーム(全長約100m)にも動く歩道を55m程度整備して、新幹線・在来線の乗り換えをスムーズに行えるようにするという。

「南北乗換こ線橋」のイメージ。【画像:JR北海道】

新幹線ホームの東端には、札幌市の要望を受けて「新幹線東改札口」を設けることが新たに決まった。この改札口につながる交通広場は札幌市が整備する予定で、タクシーや自家用車との連絡を図る。札幌市が検討しているLRTなど新たな公共交通システムとの接続も検討されているという。

「新幹線東改札口」と交通広場の配置イメージ。LRTとの連絡も考慮している。【画像:JR北海道】

新幹線札幌駅は従来、在来線との連絡を図るため西側に改札口を設けることは決まっていた。札幌市は昨年2021年10月、JR北海道や鉄道・運輸機構に対し東側にも改札口を設けるよう要望書を提出。このほど設置に向けた条件などがまとまった。

今後は4・5月に在来線札幌駅構内で信号関係の工事を実施。6月頃には新幹線札幌駅の西側で高架橋の工事に着手する。10月頃には在来線札幌駅11番線の使用を開始するほか、新幹線札幌駅の東側高架橋も秋頃には工事に着手する予定だ。

《関連記事》
北海道新幹線のトンネル掘削「半分」完了 札幌の地下を掘るシールドマシンも発進
札幌市営地下鉄東豊線「清田延伸」札幌ドーム周辺開発など踏まえ議論 市長が方針