土曜・休日の東急線「子供100円で乗り放題」実証実験から通年実施に移行



東急電鉄は3月16日から、子供が土曜・休日に限り1日100円で乗り放題となる「東急線キッズパス」を通年発売する。

東急線の列車。【撮影:草町義和】

利用できるのは6歳以上~12歳未満の子供。13歳未満の小学生の子供も含む。土曜・休日の購入当日に限り、東急線を自由に乗り降りできる。発売額は100円で、従来の「東急線ワンデーパス」(子供用は390円)に比べ7割以上の割引。片道利用なら7kmを超える区間で所定運賃より安く、往復利用ならすべての区間で安くなる。

東急線各駅(世田谷線・こどもの国線を除く)の自動券売機で購入できる。購入に際しては交通系ICカード「PASMO」の子供用カードが必要だ。

三軒茶屋駅を除く世田谷線の各駅から利用する場合、各駅の窓口や乗務員に申し出て「乗車券購入票」を受け取り、ICカードや現金で乗車。三軒茶屋駅に向かい、この駅の自動券売機で「東急線キッズパス」を購入する。その後、窓口で「乗車券購入票」と「東急線キッズパス」を提示すれば世田谷線の運賃が払い戻される。

長津田駅を除くこどもの国線の各駅から乗車する場合は、ICカードを使うか乗車券を購入して長津田駅まで移動。同駅の自動券売機で「東急線キッズパス」を購入し、そのうえで窓口で「東急線キッズパス」を提示すれば、こどもの国線の運賃が払い戻される。

自動券売機の「東急線キッズパス」の購入画面。【画像:東急電鉄】

東急電鉄は2021年以降、無料切符の配布など乗車券サービスの実証実験を実施。2022年には東急線を100円で1日だけ自由に乗り降りできる子供向け切符「東急線キッズ100円パス」を、6~8月の土曜・休日(合計24日間)に限定発売した。

東急電鉄によると、このときの「東急線キッズ100円パス」の発売枚数は約3万3000枚だった。利用者アンケートでは約2割が「この乗車券をきっかけに鉄道を利用した」と回答したほか、途中下車が増えるなど沿線での回遊促進の効果も確認できた。これを受けて同社は「東急線キッズパス」として通年発売することを決めたという。

鉄道の子供運賃は近年、交通系ICカード利用者に限定した低価格化の動きが続いている。2022年には小田急電鉄が区間に関係なく一律50円に。2023年には泉北高速鉄道(大阪府)も一律50円としたほか、京急電鉄は一律75円にした。

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