あいの風とやま鉄道の413系「北陸地域色」引退 6月にラストランツアー



あいの風とやま鉄道は4月10日、同社が保有する413系電車のうち青い車体の北陸地域色編成(AM05編成)が引退すると発表した。6月1日にラストランツアーなどを行う。

あいの風とやま鉄道の413系(北陸地域色)。【画像:こいけさん/写真AC】

ラストランツアーの列車は「引退する車両を用いた6両編成」としている。AM05編成は3両編成のため、残り3両はAM01編成「一万三千尺物語」かAM03編成「とやま絵巻」を連結するとみられる。

行程と時刻は、富山13時30分ごろ発→魚津14時00分ごろ着→高岡15時00分ごろ着→富山16時00分ごろ着。記念ヘッドマークの撮影会やクイズ大会を行うほか、連結作業見学会や車内放送体験会も参加者のなかから抽選で実施する。

参加費は1万3000円で170人を募集。記念硬券入場券セットや運転士用時刻表(イベント当日の臨時ダイヤ)、乗車記念証などのプレゼントが付く。申し込みは4月14日まで電子メールで受け付ける。

このほか、6月1日の10時30分~14時には富山駅南北自由通路でイベント記念グッズの販売会が行われる予定だ。

413系は国鉄時代の1986年にデビューした交直両用・普通列車用の電車。既存の急行型電車を改造する形で製造され、車体を普通列車向けのものに更新した。455系急行型電車の先頭車(クハ455形700番台)2両を含む33両(3両編成11本)が北陸本線や富山港線、七尾線で運用され、1987年の国鉄分割民営化でJR西日本が引き継いだ。

2015年、北陸本線の富山県内区間をJR西日本から引き継いだあいの風とやま鉄道が15両(3両編成5本、AM01~05編成)を引き継いだ。AM03編成は2016年にイベント列車「とやま絵巻」として簡易的に改装され、AM01編成も観光列車「一万三千尺物語」に改造されて2019年から運行されている。AM02編成とAM04編成は2023年1月までに廃車されており、AM05編成が引退すると、あいの風とやま鉄道の413系はイベント・観光用の車両だけになる。

413系のAM03編成「とやま絵巻」。【画像:SONIC BLOOMING/wikimedia.org/CC BY-SA 4.0】
3両編成化が計画されている、あいの風とやま鉄道の521系。【画像:たもぞう/写真AC】

あいの風とやま鉄道は3両編成の413系のほか、JR西日本から譲り受けた2両編成の521系電車を保有。2017年以降も521系を新造投入している。同社は混雑緩和や車両更新のため、521系の中間車を新造して3両編成化し、これに伴いAM03編成「とやま絵巻」を廃車にする方針だ。521系中間車は定員150人程度で、モーターや運転台のない付随車。トイレやパンタグラフなども装備しないことが考えられている。

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