日本車両は2月22日、同社の車両ブランド「N-QUALIS(エヌクオリス)」の新たなラインナップとして「特急車両用ステンレス構体」が完成したと発表した。
N-QUALISは日本車両が開発した軽量ステンレス車の製造工法(日車式ブロック工法)を発展させたもの。2022年にデビューしたJR東海の普通列車用電車の315系で初めて採用された。
日本車両によると、特急車両用ステンレス構体はレーザー溶接を用いて仕上げたフラットな外板に衝突安全技術を採り入れた大型の連続窓構造を組み合わせた。これにより特急車両らしい風格を持つ美しいステンレス構体を実現し、ドア数の少ない有料着席車両などにも適用できる。
車体上部の外板の継ぎ目を削減し、シールの保守作業時間の短縮も図れる。車体上部まで一体的にフィルムを施工することも可能になり、帯を貼り付ける範囲や装飾ラッピングフィルムの適用などデザインの自由度が向上するという。
特急車両用ステンレス構体を最初に採用する新型車両について、日本車両は今回明らかにしていない。日本車両の株式の過半数を保有するJR東海は、特急「しなの」で運用している383系特急型電車の更新を目的に新型の特急型電車「385系」の導入を計画しており、2026年度に量産先行車が完成する予定だ。
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