長良川鉄道の新型車両「2両目も国鉄色」イメージ公表、車両愛称は「柿」にちなむ



越美南線(岐阜県)を運営する第三セクターの長良川鉄道は2月7日、新型車両「ナガラ6形」の602号を3月下旬に導入すると発表した。ナガラ600形気動車の601号に続き「国鉄色」を採用した新型車両の2両目になる。

朱色で塗られたキハ40系のキハ48形。【画像:まさきM/写真AC】

602号は長さが17.9mの気動車で、座席はロングシートを採用。定員は116人(座席42人、立席74人)で車椅子スペースを2カ所設ける。公表されたイメージによると、外装は国鉄時代の越美南線で運用されていたキハ40系気動車のキハ48形を再現した朱色(柿色)に。内装もキハ48形の内装色に似せる。

導入費用は約2億1000万円。このうち3分の1は国の訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業の補助金で、9分の2は岐阜県の鉄道施設老朽化対策事業費補助金、9分の4は市町の老朽化対策事業補助金になる。

車両愛称は「パーシモン美濃里(みのり)号」。英語で柿を表す「パーシモン(persimmon)」に、柿の「実り」と「美濃の国の里山」を掛けた。歴史の継承と進化を両立し、円熟した地域鉄道でありたい思い」を表現したという。

長良川鉄道は「パーシモン美濃里号」の運行を盛り上げるため、行先表示板(サボ)の作成や駅名ホーロー看板など関連グッズの作成、沿線の秋の風景をイメージした車内装飾などを行う計画。費用はクラウドファンディングで募集する。

ナガラ6形602号のイメージ。外装はキハ48形の塗装を再現する。【画像:長良川鉄道】
ナガラ6形602号の内装イメージ。【画像:長良川鉄道】

越美南線は岐阜県(美濃)と福井県(越前)を結ぶ国鉄越美線の岐阜県側の区間としえ着工。1923年から1934年にかけ美濃太田~北濃の約72kmが開業した。福井県側も1960年から1972年にかけ越美北線として開業している。

しかし県境部の北濃~九頭竜湖は国鉄の経営悪化を受け計画が凍結。1984年には越美南線が国鉄再建法に基づき廃止対象路線となったが第三セクター化で同線を維持することになり、1986年に長良川鉄道の路線として再スタートを切った。

2022年4月、従来車両の更新のため601号がデビュー。長良川鉄道によると、このときは「昭和の旧国鉄越美南線時代を懐かしむ風潮があり、鉄道ファン及び沿線住民等から旧国鉄色への復刻塗装の希望が強くあった」といい、外装は国鉄時代の急行「おくみの」で運用されていたキハ58系気動車と同じ赤・クリーム2色のデザインを採用した。602号は国鉄色を採用した新型車両の2両目になる。

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