北陸新幹線の金沢~敦賀が3月16日に延伸開業する。東京から福井県内まで新幹線の列車が直通するようになるが、一方で大阪~金沢・和倉温泉の在来線特急「サンダーバード」は運行区間を大阪~敦賀に縮小。名古屋・米原~金沢の在来線特急「しらさぎ」も名古屋・米原~敦賀に縮小される。敦賀駅で「サンダーバード」「しらさぎ」と北陸新幹線を乗り換える必要がある。
北陸新幹線の敦賀駅は3層構造の高架駅で、3階に島式2面4線の北陸新幹線のホーム、2階にコンコースを設置。さらに1階にも島式2面4線の在来線特急ホームが設けられ、「サンダーバード」「しらさぎ」と北陸新幹線を同じ高架駅舎内で乗り換えできるようにしている。現在の在来線ホームからだと幅の狭い連絡通路を通る必要があり、それに比べれば移動しやすい。
報道関係者向けの試乗会が行われた2月1日、実際に在来線特急ホームから新幹線のホームまで歩いてみた。
在来線特急ホーム33・34番線の西端からスタート。エレベーターやエスカレーターは稼働していないため階段を上がる。ちょっと段数が多いなという感じだ。
階段を上りきるとコンコース。奥のほうに新幹線乗換口があるはずだが、よく見えない。けっこう遠い。まっすぐ歩いて乗換口が見えてくると、有人改札1通路に加え自動改札18通路がずらりと並ぶ。相当な数の乗換客が一度に押し寄せるのを想定しているのが分かる。
乗換口を通り抜けても新幹線ホームはまだ少し先。案内表示に従ってコンコースを歩くと13・14番線ホームにつながる階段が見えてきたが、在来線→コンコースの階段に比べかなり長い。ホームに到達して停車中の列車の車体が見えたときには、呼吸がやや荒くなっていた。
所要時間は3分50秒ほどだった。列車を降りた場所と乗る場所によって前後するだろうが、おおむねこのくらいだろう。JR西日本は在来線特急「サンダーバード」「しらさぎ」~北陸新幹線「つるぎ」を最短8分で乗り継ぐダイヤを組んでおり、余裕で乗り継ぎできる。
ただしこれは、ホームやコンコースがすいている場合の話だ。JR西日本は1月18日、同社の社員など900人を乗客役とした乗換シミュレーションを実施。このときは全員の乗換が完了するのに13分ほどかかったという。想定より5分長い。
北陸新幹線のE7系・W7系電車は1編成12両の定員が約920人。在来線特急は「サンダーバード」の9両編成で540人ほどだから、満席の「サンダーバード」の乗客全員が北陸新幹線に乗り換えるとしてもシミュレーションよりは余裕がある。とはいえ開業直後は慣れてない客が多いだろうし、それに客は健常者ばかりではない。多客期もホームやコンコースの混雑で移動に時間がかかるケースが出てくるだろう。場合によってはダイヤの調整が必要になるかもしれない。
《関連記事》
・北陸新幹線の延伸区間「ひと足早く」乗ってみた 金沢~敦賀で報道試乗会、車窓は
・JR西日本「2024年3月16日ダイヤ改正」伯備特急「やくも」新型導入は4月から