南阿蘇鉄道のMT-2003A・MT-3001「引退」新型導入で開業時の車両が消滅へ



南阿蘇鉄道は1月29日、MT-2000A形気動車1両(MT-2003A)とMT-3000形気動車1両(MT-3001)の合計2両が引退すると発表した。新型車両の追加導入に伴うもの。これにより開業時の車両はすべて消滅する。

MT-4000形の導入で引退するMT-2003A。【画像:雁坂出版社/写真AC】

MT-2000A形は1986年、南阿蘇鉄道が国鉄高森線の経営を引き継いだ際にMT-2000形として3両(MT-2001~2003)導入。新潟鉄工所が第三セクター鉄道向けに開発した軽量気動車で、小型の車体(全長16m弱)を採用したのが特徴だった。2000年までに空転防止のための改造が行われ、形式名と車両番号に「A」が追加された。

MT-3000形は輸送力強化のため1993年と1998年に合計2両(MT-3001・3002)が製造された。引退するのは1993年製のMT-3001で、先頭部を傾斜付きの大型窓を配して眺望性を向上させている。

MT-3000形のMT-3001も引退する。【撮影:草町義和】

南阿蘇鉄道は昨年2023年4月、JR豊肥本線への乗り入れに対応した新型車両のMT-4000形気動車2両を導入し、老朽化したMT-2000A形のMT-2001A・MT-2002Aが引退した。今年2024年1月にはMT-4000形の追加の2両(MT-4003・4004)も現地に到着。今後試運転を経て、早ければ2月中には営業運転に入る予定だ。

南阿蘇鉄道がX(旧Twitter)のアカウントで公表したMT-4000形の追加導入車。

これによりMT-4000形は4両体制になり、開業時の車両で最後まで残っていたMT-2003Aが引退するほか、MT-3001も引退する。南阿蘇鉄道は2月11・12日の計2日、「さよならMT2003A号車&MT-3001号車ラストランツアー」を実施する予定。MT-2003A・MT-3001の乗車のほか撮影会や洗車体験、連結作業の見学が行われる。各日50人を募集。旅行代金は大人8000絵・小学生6000円で、申し込みはファクスか電子メールで受け付ける。

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