南阿蘇鉄道「全線再開ダイヤ」詳細を発表 JR線乗り入れは朝の2往復



南阿蘇鉄道は7月15日、高森線(熊本県)の全線再開にあわせダイヤ改正を実施する。同社は5月19日、改正ダイヤの詳細を発表した。全線再開にあわせ、JR九州の豊肥本線・肥後大津駅に乗り入れる列車の運行も始まる。

JR線への乗り入れに対応した南阿蘇鉄道のMT-4000形。【画像:南阿蘇鉄道】

1日の運行本数は、毎日運行される列車が11往復。木~土曜と休日は1往復増発して12往復になる。いずれも立野~高森の全線を走り、毎日運行の列車のうち朝の2往復はJR豊肥本線の肥後大津駅に乗り入れる。

乗り入れ列車の運行区間と時刻は、下りが肥後大津7時28分→高森8時17分と肥後大津9時26分→高森10時14分。上りは高森6時29分→肥後大津7時12分と高森8時26分→肥後大津9時09分。

このほか、観光トロッコ列車「ゆうすげ号」が立野~高森で2往復設定された。全線再開翌日の7月16日以降、土曜・休日のみ運行される。全車指定席で、運賃・料金の合計は立野~高森の片道で大人1500円・子供1000円。

再開初日の7月15日は、下りの一部列車で時刻を変更。「ゆうすげ号」は運休する。

トロッコ列車「ゆうすげ号」は全線再開翌日の7月16日から立野~高森での運行を始める。【撮影:草町義和】

高森線は豊肥本線の立野駅から阿蘇山の阿蘇五岳と外輪山に挟まれた地域を通って高森駅に至る17.7kmのローカル線。2016年に発生した熊本地震で橋梁が損傷するなど甚大な被害が発生し、現在も立野~中松の10.5kmが運休中だ。

公設型上下分離方式への移行を条件に復旧工事に着手。今年2023年4月、沿線自治体が設立した南阿蘇鉄道管理機構が線路施設を保有し、南阿蘇鉄道が管理機構から線路を借り入れて列車を運行する体制に移行した。JR線への乗り入れは再開後の活性化策の一つで、南阿蘇鉄道はJR線の保安装置を搭載した新型車両のMT-4000形気動車を2両導入した。

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