福岡地下鉄空港線・箱崎線の新型「4000系」車内外のデザイン発表 「世界初」も導入



福岡市交通局は11月30日、福岡市営地下鉄の空港線・箱崎線に導入する新型車両「4000系」電車のデザインや機能を決定したと発表した。来年2024年秋ごろにデビューする。

4000系の外観イメージ。【画像:福岡市交通局】

1編成の車両数は6両。先頭部と側面上部を濃い青でデザインし、現在の1000N系電車や2000N系電車の「ブルーのライン」を継承する。側面の窓周りは福岡の「空の玄関」である福岡空港をイメージしたスカイブルーで装飾した。

車内の座席はロングシートで、一人あたりの座席幅は480mm。この幅は国内最大という。袖仕切りや荷物棚などにはガラスを採用し、明るく広がりを感じられる空間にするという。ドア上部には3画面の案内表示器を設置し、2画面は路線図・次の駅などの運行案内を表示。残り1画面はニュース・広告用とした。

4000系の車内イメージ。【画像:福岡市交通局】

車内防犯カメラは地下鉄車両としては初になるというリアルタイム監視機能を搭載。乗務員が確認できるほか、交通局職員がリアルタイムで遠隔監視できるようにする。リアルタイム監視機能付きの防犯カメラは今後、既存車両の2000N系電車や3000系電車、3000A系電車にも順次導入される予定だ。

リアルタイム監視機能付き防犯カメラの仕組み。【画像:福岡市交通局】

各車両の端部には優先スペースを確保。優先席の一部は立ち座り動作の負担を軽くするため座面をほかの座席より60mm高くし、仕切りとなる肘掛けを設ける。ベビーカー・車椅子スペースには介助者が休憩できる腰掛(ヒップレスト)を設置する。床や壁はほかのスペースとは異なる色でデザインし、エリアの区分けを明確化。このほか、子供連れの人が優先席を利用しやすいよう、優先席の対象に子供を追加した。

優先スペースのイメージ。【画像:福岡市交通局】

福岡空港寄り先頭車の6号車には、子供連れやベビーカー・車椅子利用者、キャリーバッグなどの大型荷物を持つ客が利用できるフリースペースを確保する。2歳の子供(平均身長85cm程度)が「ひとり立ち」で車窓を楽しめるよう、大型の窓を設ける。フリースペース両端の2カ所には保護者や介助者が2方向から腰掛けられる座席を設け、子供や車椅子利用者に近い場所で一緒に景色を楽しめるようにした。

このほか、ロングシートの中央部を切り欠くようにして大型荷物スペースを設置。袖仕切り越しにキャリーバッグを支えた状態で利用できるようにした。

6号車に設けられるフリースペースのイメージ。【画像:福岡市交通局】
フリースペース反対側のロングシートの中央部には大型荷物スペースが設けられる.【画像:福岡市交通局】

モーターは同機リラクタンスモーターを採用する。回転子鉄心内の磁気抵抗差によって生じる磁極との相互作用で発生する力だけで駆動するため、発熱損失が少ない。また、回転子にレアメタルを使用しないことから、永久磁石同期モーターより資源の有効活用が可能だ。交通局によると、既存車両で使用している誘導モーターよりも高効率で、使用電力量は既存車両から約20%の低減を見込む。営業列車としての本格導入は世界初という。

台車はリンク式片軸操舵台車を採用。カーブに合わせて車軸が可動することでカーブ通過時の安全性を向上させるほか、走行時の騒音を抑える。また、車両乗降監視システムも導入し、故障発生時の正確な状況把握を行い、トラブル発生時の迅速な対応を図る。

4000系は108両(6両編成18本)が導入される計画。第1編成は2024年4~5月ごろに車両基地に搬入し、秋ごろの運用開始を予定している。

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