東武特急500系増備、野田線・清水公園~梅郷間の踏切解消へ 2020年度設備投資計画



東武鉄道は8月25日、本年度2020年度の鉄道事業設備投資計画の概要を発表した。例年に比べ4カ月ほど遅い発表。総額も例年に比べ100億円ほど少ない219億円となった。東武鉄道は新型コロナウイルスの感染拡大など想定を超える事業環境の変化があった場合、見直しを行うこともあるとしている。

東武鉄道の新型特急車両500系「リバティ」。【撮影:草町義和】

本年度は新型特急車両の500系電車「リバティ」3編成と、通勤車両の70090形電車2編成を増備。東武日光線・東武宇都宮線用の20400形電車(20000系電車の改造車)も4編成を改造する。このほか、特急車両の100系電車2編成と500系6編成に荷物置き場を新設。500系3編成と70090形2編成に車内防犯カメラを設置する。

鉄道を高架化して踏切を解消する連続立体交差事業(連立事業)は3カ所で工事が進められている。このうち野田線(東武アーバンパークライン)・清水公園~梅郷間の高架化は本年度2020年度末の踏切解消を目指しており、高架橋のほか軌道や電気関係、駅施設の工事を推進する。

伊勢崎線(東武スカイツリーライン)・とうきょうスカリツリー駅付近の高架化は、2024年度の完成を目指しており、本年度は上り線の高架橋工事を推進。竹ノ塚駅付近の高架化は本年度中に上り急行線を高架化し、その後は上下緩行線の高架橋工事を推進する。踏切解消は2021年度を目指す。

東武スカイツリーライン・東武アーバンパークラインが交差する春日部駅付近でも連立事業による高架化が計画されており、東武鉄道と埼玉県は今年2020年1月に施行協定を締結。本年度は工事着手に向け設計業務などを引き続き推進する。

竹ノ塚駅付近で行われている高架化工事(写真は2017年7月)。【撮影:草町義和】

ホームドアは本年度、4駅に設置する計画。東武スカイツリーラインの北千住駅(3階)と新越谷駅、北越谷駅に設置するほか、東上線の志木駅も1・2番線ホームに設置する。また、東武スカイツリーライン緩行線の10駅(小菅~西新井間各駅と谷塚~蒲生間各駅、越谷駅)についても設置に向け調査・設計を実施する。

このほか、駅舎のリニューアルや駅施設のバリアフリー化、蒸気機関車の2機運用体制の構築に向けた車庫の増築などを行う。