福岡市営地下鉄「どんなに乗っても最大640円」タッチ決済の実証実験で新サービス



福岡市交通局などは6月30日、福岡市営地下鉄の1日の運賃を最大で640円とする新サービスを7月7日から始めると発表した。タッチ決済の実証実験の一環。1日の運賃に上限を設けるサービスは、鉄道では全国初の取組という。

福岡市営地下鉄の列車。【画像:tawachan39/写真AC】

タッチ決済に対応したクレジットカードなどで福岡市営地下鉄を利用した場合、1日の合計額が640円に到達するまでは所定運賃で請求される。1日の合計額が640円を超えると、それ以上の追加運賃は請求されず、実質的には1日乗車券と同じ640円で乗り放題になる。事前の手続きや1日乗車券の購入は不要だ。

タッチ決済での利用の流れ。基本的にはICカードでの利用と大差ない。【画像:福岡市交通局】

福岡空港駅から大濠公園駅、西新駅、赤坂駅、博多駅と下車しながら地下鉄を利用した場合、西新駅の下車時点では所定運賃の合計額(510円)で請求される。赤坂駅の下車時点で所定運賃の合計額(770円)が640円を超えるため、請求額は130円安い640円に。博多駅の下車時点でも所定運賃の合計額が1030円のところ、タッチ決済なら390円安い640円になる。

タッチ決済での利用例。所定運賃での1日の合計額が640円を超えると、それ以上は請求されない。【画像:福岡市交通局】

福岡市営地下鉄は2022年5月からタッチ決済の実証実験を開始。今年2023年3月からは七隈線の開業にあわせ、対象駅を全3路線の全36駅に拡大した。福岡市交通局などによると、タッチ決済での利用者数は1日平均で3300人を超えており、2022年度の7倍以上になったという。

《関連記事》
江ノ電「クレカでそのまま乗車」タッチ決済を導入 観光混雑の緩和目指す
福岡地下鉄「タッチ決済」七隈線延伸を機に全駅対応、カード拡大 利用者の傾向は