牟岐線・阿波海南~海部間の廃止は10月31日付けに JR四国から阿佐海岸鉄道DMVに転換



JR四国は9月29日、牟岐線・阿波海南~海部間(徳島県)1.5kmについて、廃止予定日を10月31日に繰り上げたと発表した。今後、阿佐海岸鉄道が同区間の鉄道事業を引き継ぐ。

JR牟岐線と阿佐海岸鉄道の阿佐東線。JR四国は牟岐線の阿波海南~海部間を廃止し、阿佐海岸鉄道が同区間を引き継ぐため、阿佐海岸鉄道の鉄道運営区間が阿波海南~海部~甲浦間に拡大(赤実線)する。【画像:国土地理院地図/加工:鉄道プレスネット編集部】

牟岐線は徳島~牟岐~阿波海南~海部間79.3kmを結ぶJR線。牟岐~阿波海南~海部間が7月から運休中で、バスによる代行輸送が行われている。JR四国は8月11日、このうち阿波海南~海部間を来年2021年8月31日に廃止すると国土交通大臣に届け出ていた。

国土交通省の四国運輸局はこれに伴い、関係者への意見聴取を実施。その結果、国交相は今年2020年10月31日に廃止しても公衆の利便を阻害するおそれがないと認め、JR四国に通知した。同社はこの通知を受け、廃止予定日の繰り上げを国交相に届け出た。

牟岐線と接続している阿佐東線・海部~甲浦間を運営する第三セクターの阿佐海岸鉄道は、鉄道線路と道路の両方を走れる小型バスタイプの車両「デュアル・モード・ビークル」の導入を計画。阿波海南~海部~甲浦間は現在の牟岐線と阿佐東線を走り、その前後は道路を走る。

DMVの運行ルート。阿波海南~海部~甲浦間(赤)は鉄道線路を走り、その前後の区間(青)は道路に乗り入れる。【画像:国土地理院地図/加工:鉄道プレスネット編集部】

このため、牟岐線・阿波海南~海部間の経営を阿佐海岸鉄道が引き継ぎ、同区間を阿佐東瀬に編入することに。JR四国が阿波海南~海部間の廃止を届け出た。一方、阿佐海岸鉄道は同区間の鉄道事業許可を申請中だ。

DMVの導入は本年度2020年度中の予定。牟岐線・牟岐~阿波海南~海部間の代行バスは、2021年1月31日まで運行される予定だ。