北大阪急行線「2023年度末」延伸開業へ トンネルなど土木工事ほぼ完成、車両増備も



北大阪急行電鉄と大阪府箕面市の2者は8月25日、これまで来年度2023年度の開業予定としていた南北線延伸線(北大阪急行線の延伸区間)について「2023年度末」に開業すると発表した。

千里中央~箕面船場阪大前のシールドトンネル。【画像:北大阪急行電鉄・箕面市】

2者によると、延伸区間の土木工事は全区間でほぼ完了している。千里中央~箕面船場阪大前は2019年秋からシールドマシンによる掘削・トンネル構築工事に着手し、今年2022年5月末までに貫通。箕面船場阪大前~箕面萱野は春頃に土木工事がほぼ完了し、現在は軌道や電気設備、駅舎関連工事が中心に進められている。11月には箕面萱野駅で駅のホーム全体を覆う上屋の設置工事が始まる予定だ。

箕面船場阪大前駅の地下ホーム。【画像:北大阪急行電鉄・箕面市】
終点の箕面萱野駅は高架駅。【画像:北大阪急行電鉄・箕面市】

北大阪急行線の延伸に伴い、北大阪急行電鉄は同社の車両で最新型となる「9000形」を30両(10両3編成)増備する。2021年度から車両の主要部品の調達を進めており、2022年度から製造を開始した。同社は今後、ウェブサイトや公式インスタグラムで車両製造の進展を案内する考えだ。

延伸区間は北大阪急行線の終点・千里中央駅から北上して箕面萱野駅まで約2.5km。中間に箕面船場阪大前駅が設けられる。千里中央駅と箕面船場阪大前駅を含む約1.7kmはトンネル区間。箕面萱野寄りの約0.8kmは高架橋区間になる。総事業費は874億円。

延伸区間の位置。【画像:北大阪急行電鉄・箕面市】

2015年の軌道特許・鉄道事業許可を経て2016年に着工。当初は2020年度の開業を予定していた。しかし用地買収が遅れたことや予定ルート上にコンクリート壁などの障害物が見つかり、2019年5月には開業目標時期を3年遅れの2023年度に変更していた。

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