JR北海道「変動料金制」全車指定席化の特急に導入 割引切符「えきねっと」系に統一へ



JR北海道は全車指定席化する特急列車(2024年春実施)で割引切符のリニューアルを行う。一部の割引切符の発売を終了するほか、乗車率の予測などに応じて発売額を変動させる「イールドマネジメントシステム」を導入する。

全車指定席化される特急「おおぞら」。【画像:まこりげ/写真AC】

全車指定席化される特急列車は、「北斗」「すずらん」「おおぞら」「とかち」の4本。これらの列車に設定されている「乗車券往復割引きっぷ」や「北斗オプション特急券」「すずらんオプション特急券」は発売を終了する。

割引切符に追加することでグリーン車や指定席車を利用できる「グリーン料金券」「指定料金券」の発売も終了。指定席特急券と同額の「座席未指定券」を新たに設定し、座席指定を受けずに普通車指定席の空席を利用できるようにする。

JR北海道は一部の割引切符の発売終了について、ネット予約サービス「えきねっと」限定の割引切符「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」に統一することで「わかりやすく、おトクで便利な商品体系」にリニューアルするとしている。

イールドマネジメントシステムは「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」に導入。あらかじめ発売価格の範囲を「設定価格」として決めておき、設定価格の範囲内で発売額を変動させる。予測される乗車率が高ければ高いほど発売額が高くなる。切符購入のタイミングでも変動し、申込日時から乗車日時までの時間が短ければ短いほど高くなる。

「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」の発売額変動のイメージ。【画像:JR北海道】

全車指定席になる特急列車の特急定期券「かよエール」は、普通車指定席の空席を利用できるようルールを変更。また、乗車日の3日前から指定席券売機「話せる券売機」やみどりの窓口で追加料金を払うことなく座席指定を受けることが可能な「かよエール+(プラス)」を新たに設定する。全車指定席化以降をまたぐ「かよエール」は、そのまま「かよエール+」の効力に変わったものとみなして取り扱う。

このほか、指定席の比率を拡大する特急「カムイ」「ライラック」でも、「自由席往復割引きっぷ(Sきっぷ)」の設定がある区間で「えきねっとトクだ値」を新たに設定する。

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