鹿島臨海鉄道は11月10日、機関車が客車を牽いて走る旅客列車「大洗エメラルド号」の復活運行ツアーを12月10日に実施すると発表した。観光キャンペーン「茨城デスティネーションキャンペーン」のツアー列車。かつて国鉄・JR線からの乗り入れで運行されていた臨時普通列車の姿を再現する。
運行区間は大洗鹿島線・鹿島臨港線の大洗~神栖で、時刻は大洗10時13分発→神栖11時36分着・13時45分発→大洗15時04分着。かつての「大洗エメラルド号」と同様、JRのDE10形ディーゼル機関車が12系客車を牽いて走る。ただし12系は1両だけ。
当時の運行区間と異なりJR線からの乗り入れはない。一方で通常は貨物列車専用で旅客列車が走らない鹿島臨港線の神栖駅まで走行。同駅では車両撮影会や機関車の汽笛吹鳴体験、鉄道古物販売が行われる。
JTB水戸支店との連携による企画で、旅行代金は3万8000円。記念乗車券や常陸牛の弁当が付く。募集人数は80人。申込みは11月15日10時からJTBの予約サイトで先着順で受け付ける。
「大洗エメラルド号」は鹿島臨海鉄道の大洗鹿島線が1985年に開業してから数年間、海水浴客向けに運行されていた夏季の臨時普通列車。大宮駅から東北本線や水戸線を経由し、水戸駅から大洗鹿島線に乗り入れて大洗駅まで運行されていた。東北本線と水戸線は小山駅で接続しているが、「大洗エメラルド号」は当時存在した間々田~小田林の短絡線を通った。
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