ディズニーリゾートライン「40円値上げ」申請 開業以来初の駅の全面的修繕など実施へ



東京ディズニーリゾートを周回するモノレール「ディズニーリゾートライン」(千葉県)を運営する舞浜リゾートラインは11月2日、旅客運賃上限変更認可を国土交通省の関東運輸局長に申請した。

ディズニーリゾートラインの列車。【撮影:草町義和】

全体の改定率は12.4%。認可された場合、同社は来年2024年3月に運賃を値上げする。消費税率の引き上げによるものを除くと、運賃改定は2007年4月以来17年ぶりになる。

普通旅客運賃の上限は現行260円のところ40円値上げして300円に。定期旅客運賃の上限は1カ月の場合、通勤が1150円値上げの9000円、通学が680円値上げの5400円になる。舞浜リゾートラインは実際に適用する運賃(実施運賃)を上限運賃と同額にするとしている。

鉄道収支は2022年度実績で収入が51億9400万円、支出が56億7000間年で、4億7600万円の赤字だった。2024~2026年度の3年間合計の推定は現行運賃のままなら22億4800万円の赤字だが、運賃改定後は赤字額を4億1200万円に縮小することを見込む。

ディズニーリゾートラインのベイサイド・ステーション駅。【撮影:草町義和】

舞浜リゾートラインによると、動力費や工事・修繕資材単価が上昇。人件費の増加も見込まれている。大規模な設備投資も控えており、「鉄道事業の健全な経営の維持を図るため」として運賃改定を申請したという。

同社は2023~2026年度で安全対策やサービス改善に合計約60億円を投資する計画。安全対策として車両の更新を引き続き進めるほか、2001年の開業以来初となる駅舎の全面的な修繕工事や変電所設備の主要部品の更新工事などを進める。サービス改善では、出改札機器の老朽化に伴う次世代システムへの設備更新や交通系ICカードシステムの維持・向上、通信設備の増強などを行う計画だ。

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