長野電鉄「マッコウクジラ」3両編成が引退へ 今後は平日のみイベント運転



長野電鉄は9月4日、「マッコウクジラ」こと3600系電車のL2編成が9月25日限りで引退すると発表した。今後は引退の日まで、平日に実施されるイベント列車でのみ運用される予定。これにより3両編成の3600系はすべて引退する。

3600系のL2編成。【画像:長野電鉄】

イベント列車の運転日は9月14~18・23・25日の計8日。イベントは1日2回に実施し、午前の部が10時頃から13時30分頃、午後の部が13時30分頃から17時40分頃で、いずれも須坂駅で集合・解散となる。

イベント列車の参加者のみ、須坂駅構内での撮影会と、沿線でのL2編成の撮影、限定商品などのプレゼントがある。イベントは事前申込制で、参加料金は一人1万円。募集人数は1回あたり最大45人になる。

長野電鉄は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、L2編成は9月5日以降、引退日までイベント列車以外の運用では使用しない方針。また、列車の撮影で特定の場所に大勢の人が集まることが予想されるとし、「沿線にお住いの皆様が不安に思うことを避けるためにも、多くの特典を設けた本イベントにぜひご参加ください」と呼びかけている。

長野電鉄の3500系は1992~1997年、帝都高速度交通営団(営団地下鉄、現在の東京地下鉄=東京メトロ)日比谷線で運用されていた3000系電車を譲り受けた車両。車体の形状から「マッコウクジラ」と呼ばれていた。日比谷線では8両編成で運用されていたが、長野電鉄では2両編成14本と3両編成3本に組み替えられ、形式名は2両編成が3500系、3両編成が3600系に変更された。

近年は老朽化のため廃車が進み、3両編成の3600系はL2編成の1本だけになっていた。同編成の引退後も2両編成の3500系はしばらく残るが、新しい車両の3000系電車(もと東京メトロ日比谷線03系電車)の導入が今年2020年から始まっており、これに伴い3500系も2022年にはすべて引退する予定だ。