大井川鉄道が週末夕方「増発」運休区間の専用連絡バスも 奥大井方面の利便性向上



大井川鉄道(静岡県)は10月29日、大井川本線で週末の夕方を中心に列車を増発すると発表した。SL列車などの運行日のみ運休区間で運行されている専用連絡バスも増発し、奥大井方面の利便性向上を図る。

家山駅で発車を待つ大井川本線の列車。【撮影:草町義和】

増発列車の運行日は11月3~5・10~12~17~19・23~26日の計13日。新金谷発→金谷行きの列車を除き快速急行か急行で、途中駅は一部を除き通過する。いずれの列車も電車での運行になる。運行区間と停車駅、時刻は次の通り。

●下り
金谷15時08分→新金谷15時13分→福用15時42分→家山15時50分(新金谷から快速急行)
金谷16時43分→新金谷16時48分→門出16時54分→家山17時12分→川根温泉笹間渡17時18分(急行)

●上り
新金谷14時54分→金谷14時58分
川根温泉笹間渡17時33分→家山17時39分→門出17時59分→新金谷18時06分→金谷18時11分(急行)

増発される専用連絡バスは下りが家山15時55分→千頭16時35分で、金谷15時08分発の家山行き快速急行からの連絡を受ける。上りは千頭16時45分→家山17時25分。井川線の井川14時00分発の列車からの連絡を受け、家山駅では17時39分発の金谷行き急行に連絡する。いずれも増発列車の運行日のみ運行し、途中駅は停車しない。予約定員制で大井川鉄道ウェブサイトで予約を受け付ける。

大井川鉄道によると、SL・EL列車と専用連絡バスは午前から午後の早い時間帯に運行しており、夕方は運行していない。奥大井方面への観光客の利便性向上と滞在時間の有効活用を図るため、運行日限定で列車の増発と運行区間の延長、専用連絡バスの増発を行うことにしたという。

大井川鉄道は金谷~千頭39.5kmの大井川本線と千頭~井川25.5kmの井川線を運営。大井川本線は昨年2022年9月の台風15号で被災し、土砂流入などの大きな被害が発生した。同年12月に金谷~家山の運行を再開。今年2023年10月1日には家山~川根笹間渡温泉の運行も再開したが、残る川根笹間渡温泉~千頭19.5kmは再開のめどが立ってない。

大井川本線の運休区間(写真は下泉~田野口)。線路の半分が雑草に埋まりレールの頭面は赤さびている。【撮影:草町義和】
家山駅前で発車を待つ千頭行きの川根本町営バス。【撮影:草町義和】

大井川鉄道は10月1日の家山~川根笹間渡温泉の再開にあわせダイヤ改正を行い、地域輸送を担う普通列車を大幅に減便。家山~千頭の代行バスもSL・EL列車の運行日のみ予約定員制の専用連絡バスを運行する体制に縮小した。家山~千頭の地域輸送は川根本町が運営する町営バス(コミュニティバス)に実質移り、家山駅で大井川本線の列車と連絡している。

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