JR九州の特急定期券や観光列車の特急券「値上げ」車内発売の加算区間も拡大



JR九州は10月1日以降、特急定期券や観光列車の特急券などを値上げする。同社は「お客さまのご利用状況及び弊社を取り巻く経営環境の変化」を受けてとしている。

JR九州の在来線特急。【撮影:鉄道プレスネット】

値上げされるのは、通勤用の在来線特急定期券「エクセルパス」の特急料金相当額と、観光列車「D&S列車」の指定席特急料金。「エクセルパス」は10月1日購入分から値上げし、D&S列車は10月1日乗車分からの値上げになる。

通勤用「エクセルパス」の特急料金相当額は1カ月の場合、博多~鳥栖など50kmまでの区間で現在は1万9220円。10月1日以降は1720円値上げの2万940円に変わる。博多~大分など200kmまでの区間では、1カ月で5280円値上げの5万8150円。6カ月では3万1710円値上げの34万8900円になる。通学用「エクセルパス」は現行額を据え置く。

通勤用「エクセルパス」の特急料金相当額の現行額と改定額。【画像:JR九州】

D&S列車の指定席特急料金は、「ゆふいんの森」「あそぼーい!」「ふたつ星4047」「かわせみ やませみ」「A列車で行こう」「指宿のたまて箱」「海幸山幸」「いさぶろう・しんぺい」を対象に値上げ。「或る列車」「36ぷらす3」に適用される指定席特急料金は改定しない。

対象列車は各距離帯で一律500円の値上げ。25kmまでの区間は現行1030円のところ1530円に変わり、301km以上の区間は現行3130円から3630円に改定される。ただし「あそぼーい!」の「展望席(パノラマシート)」と「白いくろちゃんシート」、「かわせみ やませみ」の「やませみベンチシート」は現在の加算額(210円)を廃止するため、値上げ幅は290円に抑えられる。

D&S列車の指定席特急料金の現行額と改定額。【画像:JR九州】
値上げの対象となるD&S列車の「ふたつ星4047」。【撮影:草町義和】

割引切符の発売額も見直される。「九州ネットきっぷ」(普通車指定席用の特急料金)の場合、D&S列車利用時の普通車指定席用の特急料金を500円値上げ。「ゆふいんの森」の博多~由布院は現行4080円のところ4580円に改定され、「あそぼーい!」の別府~熊本は現行3400円から3900円に改定される。

「eきっぷ」はD&S列車利用時の普通車指定席用の特急料金が500円値上げされるほか、山陽・九州新幹線で普通車指定席用とグリーン車用の発売額を見直し、普通車自由席用は据え置く。また、シーズン別(通常期・閑散期・繁忙期・最繁忙期)の料金を適用。山陽新幹線区間では「のぞみ」「みずほ」利用時の加算額を適用する。

通常期に「のぞみ」「みずほ」を利用する場合、新大阪~鹿児島中央の普通車指定席用は現行2万1730円のところ970円値上げの2万2700円に。グリーン車用は1920円値上げの1920円値上げの3万2980円になる。

このほか、車内発売の特急券を駅などで購入する場合より高くする区間を拡大。来年2024年4月1日購入分から博多~佐賀の特急車内で発売する自由席特急券を値上げし、現在の自由席特急料金に200円を加算した額で発売する。

JR九州は博多~佐賀のすべての特急停車駅のホームに券売機を設置するほか、QRコード決済の特急券のサービスエリアを博多~佐賀にも拡大し、乗車前に特急券を購入できる体制を整備するとしている。

JR九州は昨年2022年4月に在来線の特急料金を値上げしたが、「エクセルパス」は据え置いていた。

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