伊賀鉄道「ICカード」導入へ JR西日本「ICOCA」採用、定期券も



三重県伊賀市と伊賀鉄道、JR西日本は7月26日、伊賀鉄道にJR西日本のICカードシステム「ICOCA」を導入すると発表した。全国の交通系ICカードで伊賀鉄道を利用できるようになるほか、ICOCAによる定期券も発売される。サービス開始は来年2024年3月の予定。

伊賀鉄道の列車。【画像:shigeyan07/写真AC】

ICOCAが導入されるのは伊賀鉄道の全15駅。各駅に設置するIC改札機にICOCAやSuicaなど全国相互利用サービスに対応した交通系ICカードをタッチすると、乗車区間の運賃が自動的に精算される。

伊賀鉄道の定期券と切符の機能を併せ持った「伊賀鉄道ICOCA定期券」も発売。近鉄やJR西日本などの鉄道定期券を1枚のICOCAで利用することもできる。伊賀鉄道ICOCA定期券はカード表面に定期券情報を表示せず、内容の控えを別に発行。他社の定期券と1枚にまとめた場合は他社の定期券情報が表示される。四日市あすなろう鉄道が導入したICOCAと同じ方式だ。

伊賀鉄道ICOCA定期券(左)は定期券情報がカード面に表示されず、内容の控えを別に印字。他社定期券と一つにまとめた場合(右)は他社定期券の情報が表示される。【画像:伊賀市・伊賀鉄道・JR西日本】

ICOCAカードやICOCA定期券の発売・購入・払戻し・チャージは、伊賀鉄道では上野市駅の窓口で対応する。チャージは近鉄やJR西日本などのICOCAエリアの券売機やコンビニエンスストアなどでも可能だ。

伊賀鉄道は伊賀上野~伊賀神戸の16.6kmを結ぶ伊賀線を運営。伊賀上野駅でJR関西本線に連絡し、伊賀神戸駅でも近鉄大阪線に連絡する。かつては近鉄の路線だったが赤字経営が続き、2005年ごろに路線の存廃問題が浮上。2007年、近鉄や伊賀市が出資する伊賀鉄道が同線の列車運行を引き継いだ。

《関連記事》
四日市あすなろう鉄道「交通系ICカード」導入 定期券は「印字なしICOCA」
近鉄鈴鹿線「リニア三重県駅に延伸」鈴鹿市長が考え明らかに 直線で4~11km