上野動物園モノレール「廃止」国交相に届出 代替交通「コンパクトな乗り物」整備へ



東京都は7月21日、休止中の上野懸垂線(上野動物園モノレール)について、第1種鉄道事業の廃止を国土交通大臣に届け出た。

休止直前の上野動物園モノレール。【撮影:草町義和】

廃止予定日は来年2024年7月21日。2019年11月から休止中で、現在は無料で乗れる電気バスも運行されているため、廃止予定日が繰り上げられる可能性もある。届出では「車両更新が実施できず、事業存続が困難なため」としている。

上野動物園モノレールは上野動物園の西園と東園を結ぶ、全長0.3kmの懸垂式モノレール。建設局が管理し交通局が列車の運行を担っている。東京都が路面電車に代わる都市交通機関としてモノレールの導入を構想し、その実証実験的な路線として1957年に開業した。しかし都心部の公共交通は地下鉄が整備され、モノレールの導入は実現しなかった。

上野動物園モノレールは引き続き運行されたが、2010年代後半に施設の老朽化問題が浮上。2019年10月限りで営業を休止した。

東京都は代替交通として、小型モノレールなどの「コンパクトな乗り物」の導入を検討している。昨年2022年11月に建設局が発表した基本方針によると、乗り物を整備する事業者を2023年度に決定。2024年度から「コンパクトな乗り物」の設計と工事を行い、2026年度から使用を開始する予定だ。

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