東京モノレール・浜松町~羽田空港「20~45円値上げ」運賃改定認可



国土交通大臣は6月16日、東京モノレールが申請していた旅客運賃の上限変更を認可した。改定率は10.8%。これを受けて東京モノレールは来年2024年3月に運賃を値上げする予定だ。

老朽化に伴い順次引退している東京モノレールの1000形電車。【撮影:草町義和】

普通旅客運賃の上限は、初乗り(1区、1.5kmまで)が現行で1円単位(ICカード)157円・10円単位(切符)160円のところ、改定後は20円値上げのICカード177円・切符180円。それ以外の区間はICカードが27~45円の値上げ、切符は20~40円の値上げだ。

モノレール浜松町駅から羽田空港の各ターミナル駅までは、ICカードが現行492円のところ27円値上げの519円。切符は現行500円から20円値上げの520円になる。

定期旅客運賃の平均割引率は通勤の場合で現行49.6%のところ47.8%に引き下げる。通勤定期旅客運賃の上限は、現在の上限からの改定率が16.1%。ただし実際に適用する運賃(実施運賃)は上限の範囲内で2019年に値下げしているため、実際の改定率は25.2%になる。

通勤定期の大人・1カ月の場合、モノレール浜松町~流通センターは現行の上限運賃が1万460円で、現行の実施運賃は1万300円。改定後の上限運賃は1万2570円で、実際の値上げ幅は2270円になる。

一方、通学定期旅客運賃は家計負担に配慮して現行運賃を据え置くため、割引率は現行75.5%のところ78.1%に引き上げられる。

おもな区間の運賃の比較。【画像:東京モノレール】

東京モノレールによると、コロナ禍やそれに伴う生活様式の変化により利用者が減少しており、今後もコロナ禍前の水準への回復は難しいと想定。一方で安全対策や利便性向上のため設備投資などを継続的に行っていく必要があるという。こうしたことから同社は今年2023年3月、運賃改定を申請していた。

同社は2023年度~2026年度で安全対策として116億1300万円の設備投資を計画。支柱や線路、トンネルなどの耐震補強や補強工事を行うほか、信号機器の更新、変電所などの電気設備更新を行うとしている。

また、サービス向上・改善として2023年度~2026年度に123億900万円の設備投資も計画。モノレール浜松町駅の建替工事やバリアフリー設備の拡充、新車両(10000形)への更新、新しいICチケットの導入などを行うとしている。

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