福岡市の高島宗一郎市長は福岡空港国際線ターミナルのアクセス交通について、福岡市営地下鉄七隈線の延伸も含め総合的に検討する考えを示した。
高島市長は11月20日に行われた市長選で4回目の当選。博多駅や博多港、福岡空港が近接している利点を生かし、市内の主要拠点や観光資源などへのアクセス強化に向け交通ネットワークの検討に取り組むことを選挙公約として掲げていた。
11月21日に行われた記者会見で、高島市長は七隈線の福岡空港延伸について「さまざまな検討案の一つ、将来に向けて総合的に考える」話し、七隈線の延伸に限定せず複数のアクセス案を比較検討していく考えを示唆した。
福岡空港は滑走路を挟んで東側に国内線ターミナル、西側に国際線ターミナルが設けられている。国内線ターミナルには1993年から福岡市営地下鉄空港線が乗り入れているが、国際線ターミナルはアクセス鉄道が存在しない。内際両ターミナル間の移動では無料の連絡バスなどを使う必要がある。
七隈線は橋本~天神南の12.0kmを結ぶ地下鉄路線。天神南駅と博多駅を結ぶ1.4kmの延伸区間が来年2023年3月27日に開業する予定で、福岡空港に延伸する場合は博多駅からさらに延伸する形になる。博多駅の七隈線ホームから福岡空港国際線ターミナルまでは直線距離で約2.3km。周辺の道路下を通るルートを想定した場合は3km程度になるとみられる。
福岡空港のアクセス鉄道を巡っては、福岡県も空港線とJR篠栗線(福北ゆたか線)を接続する新線の検討を進めている。
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