東海道本線・原~東田子の浦で工事中の「新貨物ターミナル」(静岡県沼津市)で、新たに敷設された線路が姿を現した。静岡県と沼津市が5月26日、工事の進捗状況を明らかにした。

新貨物ターミナルは敷地の造成がほぼ完了。現在はコンテナホームや構内跨線橋が姿を現している。大雨による浸水対策として設置される二つの調整池は、2号調整池の擁壁工事が完了した。線路の敷設工事も始まっており、静岡市と沼津市は今後、線路の切替に向けて工事を進めるとしている。


新貨物ターミナルは沼津駅に隣接するJR貨物の貨物駅の移転先になるもの。施工面積は約11.8haで長さ約2.1km、幅約78mになる。線路は南側から東海道下り本線・貨物着発1~4番線・東海道上り本線を配置。貨物着発2番線と貨物着発3番線のあいだに幅約47mのコンテナホームを設ける。荷役方式は貨車の入替作業を行う必要がないE&S方式を採用する。
また、南側の線路をまたいでコンテナホームに進入できる構内跨線橋や駅本屋、混載仕分け所などを整備。緑地や調整池、東西道路、鉄道をくぐって南北を結ぶ道路など周辺整備も行われる。



沼津駅とその前後では線路を高架化して踏切13カ所を解消する連続立体交差事業が計画されている。貨物駅が高架化で支障することから高架化の範囲外に新貨物ターミナルを整備することになり、2022年から工事が本格化している。完成は2027年度の予定。
このほか、沼津駅に隣接するJR東海の車両基地も高架化の範囲外に移設することが計画され、昨年2024年11月に起工式が行われた。こちらの完成は2030年度の予定。高架橋本体の工事は来年度2026年度から始まる予定で、2040年度までに東海道本線上り線、御殿場線、東海道本線下り線の順で高架化される予定だ。
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