東京都心と臨海部結ぶ「東京BRT」5月24日からプレ運行開始 本格的な専用車線なし



京成バスと東京BRTは2月14日、東京都心と東京オリンピック・パラリンピックが開催される臨海地域を結ぶバス高速輸送システム(BRT)「東京BRT」の第1次プレ運行を5月から始めると発表した。

東京BRTに導入される連節バス。【画像:京成バス・東京BRT】

第1次プレ運行は認可申請中で、認可された場合は5月24日から運行される。ルート・停留所は、虎ノ門ヒルズ~新橋~晴海BRTターミナルと新橋~晴海BRTターミナル。6時台から22時台まで、1時間あたりピーク時6便、日中4便運行する。運賃は220円。

車両は当初、燃料電池バス5両とディーゼルバス3両を使用。7月頃からディーゼルハイブリッドの連節バス1両を導入する。

2022年度に予定されている環状第2号線本線トンネルの開通後、本格運行に移行する予定だ。本格運行のルートは4系統で、「幹線ルート」の虎ノ門ヒルズ・新橋~国際展示場・東京テレポート、「晴海・豊洲ルート」の虎ノ門ヒルズ・新橋~豊洲市場前、「選手村ルート」の新橋~晴海五丁目(仮称)、「勝どきルート」新橋~勝どきBRT。新橋~銀座・東京駅方面や東京テレポート~東京国際クルーズターミナル方面への運行も検討する。

第1次プレ運行時のルート。【画像:京成バス・東京BRT】
停留所のイメージ。【画像:京成バス・東京BRT】

BRTは、バス交通にさまざまな改善策を組み合わせることで、従来のバスより高速・大量に輸送できるようにすることを目指した交通システム。具体的には、バス専用車線などの専用通路を設け、一般車両との分離を図って定時性を高めることや、車外での運賃徴収、交差点でのバスの優先的な取り扱い、輸送力を向上させた連節バスの導入、停留所施設の改善などが挙げられる。

東京BRTは本格的な専用通路が設けられない。専用の通路を走らないバスはBRTではないとする専門家も多く、将来的に専用通路が整備されるかどうか注目される。

海外のBRTはバス専用車線を設けて一般車両とバス車両を完全に分離していることが多い。写真は韓国の首都・ソウルのBRT。【撮影:草町義和】