福岡地下鉄七隈線「1.6km」延伸で輸送人員「1.6倍」18年前の目標やっと上回る



福岡市交通局は6月5日までに、福岡市営地下鉄の4月の利用者数を発表した。前月の3月27日に天神南~博多の1.6kmが延伸開業した七隈線は大幅に増加。空港線・箱崎線は減少した。

延伸区間の櫛田神社前駅。【画像:Usami303/写真AC】

各線の1日あたりの輸送人員は七隈線が12万314人で、3月(7万5099人)の約1.6倍だった。空港線・箱崎線は3月が35万4677人だったところ、4月は34万2822人で3.3%の減少。全体では3月が42万9776人、4月が46万3136人で、7.8%の増加だった。

各線の1日あたり輸送人員。【画像:福岡市交通局】

七隈線の既設区間各駅も1日あたりの乗車人員が増加。延伸前の都心側ターミナルだった天神南駅は1万9346人で、3月(1万3259人)の約1.46倍だ。西鉄天神大牟田線と連絡している薬院駅は約1.51倍の1万2520人だった。延伸区間の新駅は櫛田神社前駅が5833人で、博多駅は2万587人。

増加率が最も大きかった駅は、近くに福岡大学がある福大前駅。3月が3984人だったのに対し、4月は約1.9倍の7582人だった。延伸で大学へのアクセスが改善され、アパート・マンション住まいから通学に切り替えた学生が増えたとみられる。

七隈線各駅の1日あたり乗車人員。【画像:福岡市交通局】

福岡市営地下鉄の3路線(点線は七隈線の延伸区間)。天神南駅は天神の中心部から外れていてほかの鉄道路線とも直接の連絡はない。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

七隈線は2005年2月、福岡市の西南部郊外と都心部を結ぶ橋本~天神南12.0kmの地下鉄として開業。この時点で福岡市は1日平均乗車人員の目標値を11万人としていた。しかし同年4月の1日あたりの乗車人員は4万6210人で、計画の4割程度だった。

都心側ターミナルの天神南駅は天神地区の中心地から外れているうえ、ほかの鉄道路線とも直接連絡しておらずアクセスが不便だったため、利用者が想定を大幅に下回ったとみられる。

今回の延伸で博多駅に直接乗り入れるようになり、中心部やターミナルへのアクセスが大幅に改善。これによる利用者の増加で、七隈線の輸送人員は18年前の目標値をやっと上回ったことになる。

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