東洋電機製造の筆頭株主がJR東日本に 鉄道車両の「心臓部」など生産



鉄道車両の「心臓部」といえる各種機器類を製造している東洋電機製造(本社:東京都中央区)は5月15日、自己保有株式の一部をJR東日本に売却すると発表した。これによりJR東日本が筆頭株主になる見込み。

東洋電機製造の駆動装置が採用された中国国鉄の高速車両「CRH2形」。【撮影:草町義和】

東洋電機製造は昨年2022年11月末時点で、発行済株式総数973万5000株の8.17%に相当する79万4988株を自己保有している。このうち49万3500株を今年2023年5月31日付けでJR東日本に売却。調達資金額は4億6487万7000円で、東洋電機はICT全般への事業領域の拡大など各事業の強化を図るほか、JR東日本との連携の強化を図る方針だ。

東洋電機製造の2022年11月末日時点の株主(持株比率)は日本マスタートラスト信託銀行(8.51%)が筆頭で、これに東洋電機従業員持株会(5.13%)とJR東日本(4.93%)が続く。JR東日本は今回の東洋電機製造株式の取得で持株比率を10%とし、筆頭株主に躍り出る。

東洋電機製造は1918年設立。モーターや駆動装置、制御装置など鉄道車両の「心臓部」といえる機器や装置類を製造している。日本の旧国鉄やJR各社、各私鉄の鉄道車両で採用されており、中国国鉄の高速車両「CRH2形」の駆動装置など海外の鉄道車両の部品も製造している。

2018年には「鉄道用超電導フライホイール蓄電システム」をJR東日本から受注。2022年6月までに納品した。

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