北陸新幹線の並行在来線「鉄道・バス10区間」に IRいしかわ金沢以西の計画認定



国土交通大臣は2月28日、IRいしかわ鉄道などが申請していた鉄道事業再構築実施計画を認定した。北陸新幹線・金沢~敦賀の延伸開業(来年2024年春)と同日、JR西日本から経営分離される並行在来線のうちIRいしかわ鉄道が石川県内の区間を引き継ぐ。

IRいしかわ鉄道の列車。【撮影:草町義和】

IRいしかわ鉄道が経営を引き継ぐのは北陸本線の大聖寺(福井・石川県境)~金沢。今回の認定により同社は同区間の第1種鉄道事業許可を受けたとみなされた。計画期間は2023年7月1日~2034年3月31日の約11年間。JR西日本は鉄道線の運営に必要な鉄道施設・鉄道用地・車両をIRいしかわ鉄道に対し開業時に有償譲渡する。

IRいしかわ鉄道は石川県の第三セクターとして2012年に設立。北陸新幹線・長野~金沢の延伸開業(2015年)にあわせ、北陸本線・金沢~倶利伽羅(富山・石川県境)の経営を引き継いだ。

北陸新幹線の敦賀延伸開業でも北陸本線の敦賀~金沢が経営分離されるため、石川県内の区間をIRいしかわ鉄道が引き継ぐことに。今年2023年1月31日、同社と石川県、金沢市、小松市、加賀市、白山市、能美市は「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」(活性化法)に基づき大聖寺~金沢の鉄道事業再構築実施計画を申請していた。

福井県内の敦賀~大聖寺(福井・石川県境)は福井県の第三セクター「ハピラインふくい」が経営を引き継ぐ。同社は昨年2022年1月に鉄道事業再構築実施計画の認定(第1種鉄道事業許可)を受けた。一方、JR西日本の路線としては廃止になるため、JR西日本はIRいしかわ鉄道の認定取得と同日、北陸本線・金沢~敦賀の第1種鉄道事業廃止を届け出た。

北陸新幹線の敦賀延伸開業後の並行在来線。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

2024年春以降の北陸新幹線・高崎~敦賀の並行在来線運営会社は次の通り。鉄道9区間・バス1区間の合計10区間を鉄道・バス7社が分割して運営する形になる。

●信越本線
・高崎~横川:JR東日本 信越本線(※経営分離せず)
・横川~軽井沢:JRバス関東 碓氷線(※バス転換)
・軽井沢~篠ノ井:しなの鉄道 しなの鉄道線
・篠ノ井~長野:JR東日本 信越本線(※経営分離せず)
・長野~妙高高原:しなの鉄道 北しなの線
・妙高高原~直江津:えちごトキめき鉄道 妙高はねうまライン

●北陸本線
・直江津~市振:えちごトキめき鉄道 日本海ひすいライン
・市振~富山~倶利伽羅:あいの風とやま鉄道 あいの風とやま鉄道線
・倶利伽羅~金沢~大聖寺:IRいしかわ鉄道 IRいしかわ鉄道線
・大聖寺~福井~敦賀:ハピラインふくい

《関連記事》
北陸本線・金沢~敦賀「廃止」JR西日本が届出 経営分離に向けた手続き
福井の並行在来線経営分離「みなし許可」 北陸新幹線の開業遅れで異例の手続き