鹿児島本線の在来線特急「つばめ」17年ぶり運行 787系、肥薩おれんじ鉄道も走行



JR九州は11月17日、在来線特急「つばめ」を17年ぶりに博多~鹿児島中央間で運行すると発表した。

在来線特急だった頃の「つばめ」。【画像:JR九州】

車両は特急型電車の787系6両編成を使用。運行日は12月11・12日の計2日で、12月11日は博多9時01分頃→鹿児島中央16時34分頃、12月12日は鹿児島中央9時10分頃→博多15時37分頃の時刻で走る。乗車には「懐かしの787系つばめの旅」と題した旅行商品を購入する必要がある。

旅行代金は片道乗車プランの場合、グリーン車のグリーン個室が12万円(1~4人利用同額)。DXグリーン席は一人掛けが3万6000円、二人掛け(1~2人利用同額)が6万円。通常のグリーン席は一人掛けが3万3000円、二人掛け(1~2人利用同額)が5万5000円だ。普通車はボックス席(1~4人利用同額)が7万5000円。通常の二人掛け(1~2名利用同額)は山側3万円、海側3万3000円になる。

いずれのプランも昼食の弁当が付く。申込みは12月18日9時30分から、JR九州トラベルデスクの「STORES予約」で受け付ける。

「つばめ」は1930年、東京~神戸間を結ぶ「超特急」として運行を開始。戦時中の廃止や戦後の復活、運行区間の新大阪~博多間への変更などを経て1975年に廃止されたが、1992年に鹿児島本線の門司港・博多~西鹿児島(現在の鹿児島中央)間を結ぶ特急として復活。その際、「つばめ」用の新型特急電車として787系が導入された。

17年前の2004年、九州新幹線・新八代~鹿児島中央間の部分開業に伴い、列車名の「つばめ」は九州新幹線の列車に譲り、従来の「つばめ」は「リレーつばめ」に改称して運行区間を博多~新八代間に短縮した。この「リレーつばめ」も2011年の九州新幹線全線開業に伴い運行を終了している。

「つばめ」が走っていた鹿児島本線も2004年、九州新幹線の部分開業に伴い、八代~川内間が第三セクターの肥薩おれんじ鉄道に引き継がれている。同区間は電化されているが、肥薩おれんじ鉄道の旅客列車は気動車を使用。電化設備は通常、JR貨物の貨物列車しか使用していない。昨年2020年、787系を改造したJR九州の観光列車「36ぷらす3」が乗り入れるようになり、電化設備を使用する旅客列車が再び走るようになった。

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