BRTひこぼしラインで「水素バス」開業後に実証運転 JR九州やCJPTなど合意



日田彦山線BRT(BRTひこぼしライン、福岡県・大分県)で、燃料電池小型バス(FC小型バス)の実証運転が行われる。福岡県と次世代自動車の開発会社「Commercial Japan Partnership Technologies(CJPT)」、JR九州の3者が2月8日、実証運転を実施することで合意したと発表した。

BRTひこぼしラインで実証運転が行われるFC小型バスのイメージ(側面)。【画像:福岡県・CJPT・JR九州】

実証運転で使われるFC小型バスはトヨタ自動車製「FCコースター」1台で、大きさは全長6990mm、全幅2100mm、全高2630mm。FCEV「MIRAI」第2世代FCシステムを活用する。3者によると、水素と酸素を化学反応させて発電した電気を使い、二酸化炭素(CO2)を排出せずに走行する環境に優しい車両という。

車体は青をベースにデザイン。環境にやさしい水素エネルギーのイメージや、BRTひこぼしライン沿線に広がる青空を表現したという。織姫の羽衣をイメージしたという模様で装飾し、BRTひこぼしラインに導入されるほかのバス車両との統一感を持たせた。

この実証運転ではJR九州が実証車両を運転。福岡県は全体の調整や実証運転の環境整備に向けたサポートを行い、CJPTは次世代水素バスの開発企画や実証車両のコーディネートを行う。3者はFC小型バスの実証運転を行うことで地域交通への水素利用の拡大を図るとともに、日田彦山線沿線地域の振興にもつなげるとしている。

実証運転期間はBRTひこぼしライン開業後の秋頃から2025年春頃までの予定。実証運転に先立ち実施する試験走行や実証運転の開始日、運転時刻などは今後改めて案内される予定だ。

FC小型バスのイメージ(先頭)。【画像:福岡県・CJPT・JR九州】

BRTひこぼしラインは日田彦山線の添田駅と久大本線の日田駅を結ぶ、JR九州のバス高速輸送システム(BRT)。水害で不通になった日田彦山線・添田~夜明の代替交通機関で、県境部を含む彦山~宝珠山は線路敷を活用した専用道を走る。今年2023年夏頃に開業の予定。

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